横浜FM杉本のオフサイドでノーゴールが妥当? 得点の起点となったボール奪取に識者見解「反則が成立している」

横浜FMでプレーするFW杉本健勇【写真:Getty Images】
横浜FMでプレーするFW杉本健勇【写真:Getty Images】

VARチェックが入るも判定は覆らず得点が認められた

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ジャッジリプレイ」で、5月7日のJ1リーグ第12節、横浜F・マリノス対京都サンガF.C.(4-1)の試合が取り上げられた。オフサイドの反則が、どの範囲で適用されるのかが議論の対象になった。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 後半41分、横浜FMがFW杉本健勇を狙って入れた縦パスはDFイヨハ理ヘンリーがカットしたが、イヨハに杉本がスライディングを仕掛けてボールを奪うと、そこからの攻撃で横浜FMにゴールが生まれた。しかし、最初の縦パスの時点で杉本がオフサイドポジションにいたことから、これが一連のプレーの中で「戻りオフサイド」の対象になるのか、あるいはすでに別のプレーに移ったとしてオフサイドの対象外になるのか微妙な判断のシーンに。

 ピッチ上ではオフサイドの反則は取られなかったが、荒木友輔VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は上田益也レフェリーにオンフィールドレビューを進言。映像を確認したうえで、上田レフェリーは当初の判定を変えずにゴールを認めていた。

 ゲスト出演した柏レイソルなどでプレーした北嶋秀朗氏は「選手だった時にオフサイドを取られた印象がある。あ、オフサイドかなと一瞬は思った。DFが触った時点でプレーが違うものになっているのかな」と現役時代に受けた判定と照らし合わせて話した。

 同じくゲスト出演したヴィッセル神戸などでのプレー経験を持つ近藤岳登氏は「僕はオフサイドだと思う。FWが背後に出ようとする場合など、センターバックの選手は(ラインを)止めればオフサイドになると理解してプレーしている。あの時点で駆け引きがあってオフサイドが取れた。杉本が滅茶苦茶近くにいる。パスが出た時点でオフサイドで、この距離にいて、パスが出た時点で取られる(カットされる)と分かっているのでディフェンスを開始している。だとしたら、それは一連のプレーなのでディフェンスとしては(オフサイドを)取ってもらわないと厳しい」と話した。また、両者とも杉本がボールを奪う局面のファウルはないというコメントだった。

家本氏も言及「オフサイドポジションにいる選手がそのまま戻ってプレーをしたので利益を得た」

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「どちらかといえば、オフサイドの反則が成立していると考える。杉本選手が静止していたならば、その前の状況が私は関係ありませんという状況なのか、一連と言える状況なのか。オフサイドポジションにいる選手がそのまま戻ってプレーをしたので利益を得た。現場からするとオフサイドに見えるのかなというシーンだったが、ノットオフサイドと判断された。VARはオフサイドポジションにいることが確認できた。ハッキリとした明白な間違いなのか、一連のプレーと言えるのでリコメンドした。ただし、主審はコントロールした後に戻ってプレーしたので利益というより、オフサイドの反則と判断できないとしたんでしょう」と話す。

 そのうえで家本氏は「そう見るレフェリーもいると思いますが、競技規則の文言と色々な解釈と改正があるなかでは一連と見るのでオフサイドの反則と言えるのかなと思う」と話した。近藤氏は「家本さん、僕が言ったのをめっちゃ詳しく言っただけじゃないですか」と話し、スタジオは笑いに包まれていた。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング