札幌ペトロヴィッチ監督、PK判定シーンで覗かせた本音 「レフェリーの間でバラつきがある」

札幌のペトロヴィッチ監督【写真:小林 靖】
札幌のペトロヴィッチ監督【写真:小林 靖】

浦和戦で1-4敗戦、MF青木亮太のハンド判定シーンに違和感

 北海道コンサドーレ札幌戦は4月15日のJ1リーグ第8節、浦和レッズ戦に1-4の敗戦を喫した。退場者を出し、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入によるPK判定もあるゲームだったが、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は「1人少ない時間帯が長かったことが、選手を疲労させた」と話した。

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 札幌はマイボール時には攻撃的にゲームを展開する一方で、相手ボール時にはオールコートのマンツーマンに近い守備を繰り出す戦術を採用。ペトロヴィッチ監督は「試合の入りは決して悪くなかった。コントロールできていたと思うし、相手のボールを奪ってからのカウンターという狙いは出せていたのではないか」と話し、MF菅大樹やMF浅野雄也が際どいシュートを放つ場面はあった。

 しかし前半35分、人を基準に守ることで自陣に大きく広がるスペースを浦和FW興梠慎三に狙われると、DF中村桐耶が堪らずファウル。倒した場面がゴール正面かつカバーの誰もいない場所での反則となり決定機阻止で中村が退場になった。ここからは防戦一方に。ペトロヴィッチ監督もMF駒井善成を投入して「1人少ないところで前からハメることは難しいので、コンパクトに5-3-1という布陣の中で、スペースを埋めながら守っていくという指示を出した」と、浦和にボール保持を明け渡す選択を取らざるを得なかった。

 よく守っていた札幌だが、後半23分にカウンターへ出ようかという瞬間の縦パスを相手DFアレクサンダー・ショルツにカットされると、逆カウンターのような形で素早くゴール前に運ばれて失点。その後に浦和も退場者を出して10人同士の戦いになっていたが、後半33分には興梠のシュートをMF青木亮太がブロックしたプレーがVARの介入もありハンドの判定に。興梠にPKを決められて突き放された。

 青木のブロックはシュートコースを予想して身体を投げ出したもの。身体から離れていた腕にボールがヒットしたもので、「支え手」などの解釈がなくなった現行のルールではPK判定もやむを得ないものだった。ペトロヴィッチ監督は「レフェリーの判定は尊重しているが、2点目のPKになった場面はレフェリーの間でも判定にバラつきがあるものではないか」と、無念そうに話した。

古巣・浦和戦で完敗も「最後まで諦めない戦いは見せられたと思う」

 その後、札幌は後半43分にペナルティーエリア内に切り込んだ菅のシュートが混戦で相手に当たりながらもゴールに吸い込まれて1点差に詰め寄った。しかし、アディショナルタイムに2失点して終わってみれば1-4の敗戦。指揮官は「相手も退場して同数になってからは札幌らしい攻撃が見せられたのではないか。1点返すことができ、選手たちは追い付こうと攻撃を仕掛けてくれたが、そこからカウンターを受けて失点。やはり1人少ない時間帯が長かったことが、選手を疲労させて集中力の低下につながったのか、失点を喫した」と話した。

 2012年から17年途中まで浦和を率いたペトロヴィッチ監督にとっては古巣対決でもあったが「最後まで諦めない戦いは見せられたと思う。同数の時間が長ければもっと緊張感のあるゲームになっただろうし、もっと札幌らしいプレスと攻撃を見せられただろう。今日は思ったような展開にならず敗れたが、選手たちが見せてくれた姿勢、戦いは評価できると思う。継続して戦っていきたい」と、雨中の激闘を終えて話していた。

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