ノーゴール浦和、“フィニッシュ以前”の課題山積 監督からも「正直苦しんでいる」の声

浦和のスコルジャ監督【写真:徳原隆元】
浦和のスコルジャ監督【写真:徳原隆元】

ルヴァンカップ湘南戦でスコアレスドロー、敵陣での攻撃力に課題露呈

 J1浦和レッズは3月8日にルヴァンカップの開幕戦で湘南ベルマーレと対戦。0-0の引き分けに終わり、マチェイ・スコルジャ監督は「まだ浦和のストロングポイントがフィニッシュのところにあると言える状況にはない」と、得点力への課題を話した。

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 浦和はこのゲームでロアッソ熊本から今季に移籍加入のFW髙橋利樹を起用したが、前半10分過ぎに右ハムストリングに不調を訴えて交代に。FW興梠慎三とMF小泉佳穂が緊急でウォーミングアップエリアに向かい、スコルジャ監督は小泉を投入。小泉はトップ下でプレーしていたMF安居海渡との関係について「1トップだけど、安居と僕が前後しながらどちらかが降りて、どちらかが前に行こうとプレーした」と、ゼロトップ型に近いニュアンスのプレーになった。

 スコルジャ監督は湘南戦を前に「4バックとは違ったシステムでプレーをする。そのため、湘南に特化した違った戦術も使っていきたい」と話していたが、MF平野佑一がセンターバックの間を出入りしながらボールを前に運び、湘南のプレスを回避する部分は成果が出た。しかし、敵陣に入ってからの攻撃力に欠ける部分が顔を出し、後半にはMF関根貴大やMF伊藤敦樹、MFダヴィド・モーベルグに決定機が訪れるもシュートを決めることができなかった。

 シーズンの開幕から公式戦4試合で3試合がノーゴールという状況に、指揮官は「浦和の選手たちは戦術をしっかり実行してくれた。その意味では、いい仕事をしたと言えるだろう。後半に入ってからは2つ、3つといい決定機があった。しかし、まだ浦和のストロングポイントがフィニッシュのところにあると言える状況にはない。正直なところ、攻撃の部分ではまだ苦しんでいると思う。アタッキングサードは理想的なプレーができているエリアだとは言えない。そこは練習でも力を入れている。(3月4日の)セレッソ大阪戦(2-0)では良い場面をいくつか作ることができた。ただし、本来やりたいことを考えればまだまだ遠いと思う」と話している。

 平野や小泉も前進する部分での手応えは話した。特にリーグ戦の開幕2試合はビルドアップにも苦労しただけに、平野は「課題としては1つクリアして、Jリーグで相手の最初のディフェンスを越えられていなかったところから次の段階に進めたという話はした」とも試合後にコメントした。また、小泉は「相手のプレスを剥がして疑似カウンターのような形を何度か作れたのは収穫。最後の崩しの精度と意思共有ができないと。疑似カウンターのような時は自然とチャンスになるけど、そうでない時の崩しのアイデアが欲しいと感じる」と話した。

 記録を見れば90分間のトータルでシュート14本を放っていた浦和だが、攻撃力の課題解決が勝ち点3を積み重ねるために必要な状況が続いている。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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