浦和FW興梠慎三、衰え知らずのベテランがもたらす“安定感” チームの躍進を誓う「焦ってはいないけど…」

浦和FW興梠慎三【写真:徳原隆元】
浦和FW興梠慎三【写真:徳原隆元】

21日のトレーニングでキレのある動き

 J1浦和レッズは2月21日に公開トレーニングを実施。キレのある動きと衰えを知らない得点感覚を見せつけたFW興梠慎三は、「焦ってはいないけど、もっとコンディションを上げたい」と先を見据えた。

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 興梠は2013年に鹿島アントラーズから浦和に移籍加入し、クラブのJ1最多得点者になるまでゴールを重ねた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では日本人最多得点記録を保持するなど、浦和のエースとして君臨。しかし、2020年のシーズン最終戦で負傷すると翌年に出遅れて出場機会を減らし、昨季は2017年途中まで浦和を率いていたミハイロ・ペトロヴィッチ監督の北海道コンサドーレ札幌に期限付き移籍していた。

 そして1年で浦和に復帰した今季は「プロ生活で初めて」の自主トレも行って良い状態でキャンプイン。2月18日のJ1開幕戦、FC東京戦では1点ビハインドの後半24分に途中出場したものの、追加点を許したチームは0-2で敗れた。

 マチェイ・スコルジャ監督が就任してハイプレスの回数を増やそうとするチームは前半に狙い通りのボール奪取を見せる姿もあったが、「無理やり攻めて体力をなくすのは違う」と興梠が話したように、後半途中では一気に運動量が落ちた。そして「走れなくなったら技術の差が出る。横パスが多くなって中に入れられないし、中でボールを受けようとしても周りに味方がいないので、パスを出す方も出しづらいと思う」と、その試合を振り返った。

 それを終えてのこの日のトレーニングでは、特に前線で一度FWがキープした後に2対1を形成するトレーニングで熟練の技を見せた。ポストプレーの安定感に加え、相手を背負うふりをしてターンして簡単にシュートを決める姿、サポートする立場になった時の追い越すタイミングの良さなどは、衰えを知らないストライカーとしての技術が散りばめられていた。

 FC東京戦でスタメン出場したFWブライアン・リンセンは、相手との力強い競り合いやフィニッシャーとしての動きに良さはあるが、興梠のようにしなやかなボールキープを見せるタイプではない。興梠は今季の主将に就任したDF酒井宏樹に触れて「前でキープして、宏樹が上がる時間を作れたら攻撃でいいものが出る」と、前での収まりが別の選手の良さも引き出す点に触れた。

 36歳のベテランは「焦ってはいないけど、もっとコンディションを上げたい」と話す。開幕戦でプレーが単調になりすぎた面のあるチームを見れば、興梠のポストプレーとキープ力はチームの大きな武器になるのではないだろうか。

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