直近の公式戦7戦5発と大ブレイク、ビッグクラブのファンを虜に

　イングランド1部ブライトンの日本代表FW三笘薫は、直近の公式戦7戦5発と大ブレイクを遂げ、今やプレミアリーグを席巻する存在になっている。鮮烈な活躍ぶりから市場価値は高騰。英国内ではビッグクラブのファンから獲得を懇願する声も広がり、“三笘フィーバー”は高まるばかりだ。

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　三笘は昨季、ベルギー1部ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへレンタル移籍し、公式戦29試合に出場して8得点4アシストと結果を残して、ブライトンへ帰還。初のプレミアリーグ挑戦となったなか、世界最高峰とも言われる舞台で堂々たるパフォーマンスを見せている。

　とりわけ、カタール・ワールドカップ以降の活躍ぶりは目覚ましい。昨年末に行われたプレミアリーグ第18節アーセナル戦（2-4）で得点すると、2月4日のリーグ第22節ボーンマス戦（1-0）までの公式戦7試合で5ゴールをマーク。その勢いはとどまる気配を見せない。

　三笘が評価されているのは、ゴールだけではない。もちろん、FAカップ4回戦のリバプール戦で決めた曲芸級の劇的弾やレスター・シティとのリーグ第21節で決めたミドル弾など特筆に値するものもある一方、マッチアップした相手を翻弄するドリブル突破が何より魅力的だろう。

　ボーンマス戦では決勝ヘッド弾もさることながら、右足1つでマッチアップした相手DFの体勢を崩したシーンにも注目が集まり、現地解説者からは「三笘の足は信じられない」と驚きの声まで上がった。今季のリバプール戦では、名手と言われるイングランド代表DFトレント・アレクサンダー＝アーノルドを翻弄する突破で再三沸かせ、高評価を得ている。

　そうした活躍ぶりから、現地ファンの間で“獲得懇願”の声が広がっている。とりわけ現在、英メディアを軸に注目されているのが来季のビッグクラブ入り。今冬の移籍市場ではアーセナルの獲得候補へリストアップされたとの情報もあったが、アーセナルには同じブライトンのベルギー人アタッカーMFレアンドロ・トロサールが加わった。

　それでも直近のパフォーマンスを受け、アーセナルからの関心が再燃したとの報道もある。海外の移籍専門サイト「Football Transfers」は「アーセナルのファンは三笘との契約を強く求めている」と伝え、SNS上にあがった獲得懇願の声を紹介。さらに、リバプール専門メディア「Empire of the Kop」の公式SNS上では「ミトマと契約してくれ」と求めるツイートまで出現した。

　ブライトンは2021年の夏、J1川崎フロンターレから250万ポンド（約4億円）で三笘を獲得した。その価値は今や急騰し、移籍事情に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏は英メディア上で「3500万ポンド（約55億円）以上の価値がある」と指摘。およそ1年半あまりで市場価値は約13倍へと跳ね上がった。

　これまでプレミアリーグには幾多の日本人プレーヤーが挑戦してきたが、三笘ほどのインパクトを残した人物はいない。それゆえ、「プレミアリーグで日本人は通用しない」とまで言われてきた。その壁をまさに今、1人の日本人アタッカーが壊そうとしている。警戒されるなかで活躍ができるのか、ビッグクラブ入り後も一流のプレーができるのか。そうした飛躍への課題を、乗り越えてくれると期待したい。