「抑えきれなかった」 沖縄・西原の玉城監督、1回戦完敗も「どう組み合わせていくかで戦える」

西原は藤沢日大に敗れ敗退が決定【写真:徳原隆元】
西原は藤沢日大に敗れ敗退が決定【写真:徳原隆元】

日大藤沢のFW森重に2ゴールを許して敗退

 第101回全国高校サッカー選手権は12月29日に各地で1回戦の試合が行われ、西原(沖縄)は等々力陸上競技場の第1試合で地元神奈川県代表の日大藤沢に0-2で敗戦。玉城真哉監督は「ちょっと抑えきれなかったですね」と内容的な完敗も認めつつ、地元中学出身の選手が大半のチームに対してJリーグのクラブが沖縄県でキャンプを行う好影響も話した。

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 西原は5回目の出場だが、これまで初戦を突破したことがなかった。今回は卒業後の清水エスパルス入りが内定している198センチの長身FW森重陽介を擁する日大藤沢との対戦だったが、森重に2得点を許しただけでなく、GKを含めた最終ラインからのつなぎでプレスをことごとく外されてしまうなど、なかなか主導権を握る時間も作ることができなかった。

 玉城監督は「ちょっと抑えきれなかったですね」と話す。温暖な沖縄県からの出場に、「今日はそこまで選手権の中では寒いほうではなかったが、ウォーミングアップをして温まった身体がもう1回冷えるような感覚は沖縄で味わうことはないもの。アップをして、温まった状態ですぐに上着を着るように指導するようなこともしています」と話すなど、気候の違いへの対応も経験から学んだものにあるという。

 選手にはFC琉球の下部組織やクラブチーム出身者もいるが、大半は県内各地の公立中学校のサッカー部から集まる。そうした環境に玉城監督は「地元の中体連出身の子が多いので、その世代でトップの経験はしていません。それでも、足が速いとか粘り強いとか、どこかに長所がある。ポテンシャルがあるので、それをどう組み合わせていくかで戦えるんじゃないかと思っているんです」と話す。

 そのうえで、FC琉球が2014年にJリーグ入会しただけでなく、近年ではJリーグのクラブがプレシーズンキャンプを沖縄県で行うことが増えた。玉城監督は「みんなで見に行ったり、練習試合などでボールボーイをやらせてもらったり。時には人数が足りないから何人か練習に貸してくれと言ってもらえることもある。そういうキャンプが行われることのメリットはすごくあると思います」と話す。

 一方で、ここ数年は新型コロナウイルスの影響で各クラブがキャンプを一般非公開にすることが常態化し、「この世代は、そうやってキャンプを見に行こうとか、そういうことができなかった。早く、そういう関係が戻れると良いですね」とも話している。

 悲願の初戦突破は果たせなかったが、地元出身の選手たちが全国の舞台で必死に戦う姿は、沖縄にも届いたはずだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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