韓国サッカー界の環境へ見解、MFファン・インボム「日本と同じだとは思っていない」

　カタール・ワールドカップ（W杯）の韓国代表メンバーとして今大会に出場したMFファン・インボムが、母国のサッカー界に対する問題点を指摘。カタールW杯では日本代表と同じベスト16進出を果たしたものの、「日本と同じ環境だとは思っていない」と、苦言を呈している。

　韓国はポルトガル代表、ウルグアイ代表、ガーナ代表が入ったグループHを2位で突破し、決勝トーナメント1回戦でブラジル代表と対戦。今大会の優勝候補筆頭に挙げられる“カナリア軍団”を相手に前半だけで4失点と実力の差を見せつけられ、1-4のスコアで敗れた。

　そんななか、韓国メディア「news1」は「ファン・インボム“韓国サッカーは日本に及ばない”誰にぶつけた？」との見出しで、今大会の全4試合にスタメン出場したMFのコメントに注目。「韓国のサッカー環境に対する辛辣な批判を惜しまなかった」とし、ブラジル戦後にメディアに対して語った内容を紹介している。

　W杯敗退を受け「韓国サッカーはもっと改善する必要があると思う」と主張したファン・インボム。宿敵の日本と同じベスト16という成績だったが「日本と同じ成績を取ったからといって、日本と同じ環境だとは思っていない」「日本人選手は本当にいい環境で頑張っていると聞いている。ヨーロッパのどのリーグに行っても、（日本人選手は）たくさんいる」と、両国の違いを指摘した。

　ファン・インボムは現在、ギリシャ1部オリンピアコスに所属。欧州各国リーグで日本人選手がプレーしている光景を目の当たりにしており、「韓国では昔から、選手はなぜヨーロッパに行かないのか、なぜ夢がないのか、お金ばかり追い求めるのか、と言われてきた。でも、これは選手だけの問題ではないと思う」と、韓国サッカー界が抱く問題点へ持論も展開している。

「ここで言ったからといって変わるわけではないが、今後、韓国サッカーが頑張ってラウンド16に進出することは奇跡ではないが、W杯で日本や他の国のように常に良いパフォーマンスを見せるには、多くのことが変わらなければならない」

　ドイツやイングランド、スペインといった欧州主要リーグで多くの選手がプレーする日本と、海外でのプレーに消極的だとされる韓国。カタールW杯では同じベスト16の成績だったものの、ファン・インボムは今後の韓国サッカー界へ危機感を抱いているようだ。