【インタビュー】プレミア解説でお馴染みのベン・メイブリー氏が今季の戦いを分析

　世界最高峰と言われるイングランド1部プレミアリーグの2022-23シーズンは、冬季開催となるカタール・ワールドカップ（W杯）による中断期間に入った。2連覇中の王者マンチェスター・シティを抑えて日本代表DF冨安健洋が所属するアーセナルが首位に立ち、中堅クラブの躍進も目立つ序盤戦となっている。プレミアリーグを生中継している「ABEMA（アベマ）」の収録前に、同リーグ中継の解説でお馴染みのスポーツライターであるベン・メイブリー氏にここまでの戦いを振り返ってもらった。（取材・文＝石川遼）

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――プレミアリーグはカタールW杯による中断期間に入りました。まだ折り返し地点というわけではありませんが、ここまでの戦いをご覧になってどのような印象をお持ちですか？

「かなり面白いシーズンになっていると思います。首位のアーセナルは独走状態とまではいかないですけど、2位のマンチェスター・シティに5ポイント差を付けて中断期間に入ったのは少し意外でした。私は個人的にはアーセナルに期待をしていましたけども、それはトップ4争いに入ってくるという期待でした。これほど安定していて、14試合で12勝1分1敗という成績を残しているのはやはり予想外でした」

――昨シーズンは優勝争いをしていたリバプールの調子がなかなか上がらないものの（6勝4分4敗で6位）、アーセナル以外にも躍進しているチームもいくつかあります。上位争いはこれまで以上に熾烈なものとなりそうですね。

「マンチェスター・シティがあれだけの経済力を持ち、的確な補強で簡単には止められないチームになっています。昨シーズンまではリバプールとの2強状態といった感じで、ほかのチームは優勝争いに絡みにくい状況が続いていました。もしリバプールの調子が落ちてくれば、マンチェスター・シティを止めるチームがなくなるという恐れすらもありました。私としてはリーグ全体が盛り上がってほしいと思いますが、そうなるとほかのチームに頑張ってもらわないといけない。1チームだけが圧倒的に強いという状況は面白くないと思っていましたけど、アーセナル以外にもニューカッスルやブライトンといったチームの成長も本当に素晴らしいと思います」

――日本代表MF三笘薫選手が所属するブライトンは開幕直後にグラハム・ポッター監督をチェルシーに引き抜かれましたが、後任としてロベルト・デ・ゼルビ監督を招聘し、7位（6勝3分5敗）で中断期間に入りました。

「ブライトンはポッター監督引き抜きのショックを乗り越えてさらに強く、面白くなっているのがすごくいいですね。昨シーズンは9位でクラブ史上最高の成績でした。クラブの規模を考えれば、それすらも極めて難しいことですけど、今季はさらに超えていきそうなほどの勢いです」