「海外でも戦えるGKを育てたい」 名手・西川周作が思い描く“指導者”としてのセカンドキャリア
【特別インタビュー】フィールドプレーヤーの経験が生み出す“特別な感覚”
浦和レッズの元日本代表GK西川周作が「FOOTBALL ZONE」のインタビューに応じ、日本サッカーにおける次世代のGKについて語った。自身が浦和で今季からジョアン・ミレッGKコーチの指導を受けていることもあり、セカンドキャリアでは指導者として後進の育成をしたい思いもあるという。(取材・文=轡田哲朗/全3回の3回目)
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西川は大分県出身で、中学生までは地元の宇佐市でプレーしていた。そして、大分トリニータU-15、大分トリニータU-18を経て2004年に大分のトップチーム登録。2008年の北京五輪に日本代表として出場し、サンフレッチェ広島や浦和レッズに移籍してからは日本代表としてアジアカップや2014年のブラジル・ワールドカップ(W杯)のメンバーにも名を連ねた。その西川は若き日にフリーキック(FK)を直接決めるなど、当時のGKとしてはキックの精度が別格の評判を受けてきた。今でも正確無比な低弾道パントキックも披露する。
そうした自身のGKとしての生まれ育ち、現代サッカーで標準と言われる足元でボールを扱えるような育成として「いろいろなポジションをするのも、1つ大事なことだと思いますね」と話す。
「いろいろなポジションをやることで、そのポジションの特徴も理解できる。ボールの動かし方にしても、基本が大事。止めて蹴る、横に少しずらして蹴るのもそう。フィールドプレーヤーをやりながらだと、楽しみながら身につくと思う。自分がフィールドプレーヤーをやった経験は本当に役立っている。コーチングライセンスの部分でも、GKがフィールドプレーヤーのようなものが求められる時代として考え方も変わってきていて変化を感じますよ」
そう語る西川は、2006年のアジアカップに20歳の若さで初招集された当時、日本代表を率いた故イビチャ・オシム氏の先見の明が今でも印象に残っているという。
「オシムさんは昔から、そういうGKがフィールドプレーヤーのように参加するサッカーをやろうとしていましたね。A代表はオシムさんが初めて呼んでくれたんです。複雑な練習をするのが衝撃だったけど、そこにGKがフィールドプレーヤーとして入るのが当たり前だった。もう少し、あれをやりたかった。トレーニングでパスを出すのも普通にGKがやるという感じだったんですよ」
西川は、今後の日本人GKが成長するために必要な要素を「GKコーチの質だと思います」と、今季から指導を受けているジョアン・ミレッGKコーチから得ているものの大きさを念頭に話した。
「僕もずっとやってきたやり方があるなかで、今年ジョアンに出会えてGKへの考え方や守り方、ポジショニングをイチから教えてもらっている段階で、納得する部分がかなりあるんです。この指導を本当に小さい時から理解してやっていけばと感じますね。日本人は背が小さいとも言われるけど、最近は背が小さくても守れる感覚になってきているので」