日本代表「トップ下・南野拓実」の是非…W杯メンバー入りも危うい? 浮き彫りになった鎌田大地との“差”とは

日本代表MF南野拓実【写真:Getty Images】
日本代表MF南野拓実【写真:Getty Images】

エクアドル戦で本職のトップ下起用となった南野、物足りないプレーで結果残せず

 森保ジャパンの発足時から、常にチームの中心選手としてチームにいたMF南野拓実(ASモナコ)だが、11月のカタール・ワールドカップ(W杯)が近づいているなか、状況は厳しいものになりつつある。9月27日に行われた国際親善試合エクアドル戦(0-0)では、本職であるトップ下のポジションで試されたが、機能したとは言い難い内容だった。4日前のアメリカ戦(2-0)では、MF鎌田大地(フランクフルト)が存在感を示したばかりだったため、物足りなさはなおさら強く感じられることになった。

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 アメリカ戦に出場したメンバーが最終予選などをともに戦い、個々の特徴やどういった動きをするかを把握していたため、連係が取りやすかったことはあるだろう。また、DF長友佑都(FC東京)が「W杯レベルだった」と話したように、エクアドルが強い相手であったことも考慮しなければいけないが、逆に言えばW杯レベルの相手には、南野はほとんど通用しなかった。

 最も強く感じたのは、背後から送られてきたボールを収める力だ。味方が後方から縦パスを入れて来た時、これを受けてボールをキープして味方を押し上げさせる。あるいは自ら前を向いてボールを前に運んでいく。この役割を上手くこなせなかった。

 ボールを収めることに苦心したことは、南野自身も認めている。「ピッチがあまり良くなかったので、1タッチでしっかり止めてから前を向くことを意識していました。ボランチとか、前向きな選手を早く見つけたかったけど、距離感が良くなかった。そこで受けて自分で前を向くのが課題かなと感じましたし、あとは、もっとシュートを打ちたかった」と、試合後に振り返った。

 相手ボールになった時にハイプレスをかけるうえでは、相手との距離が近いことはいいことなのだが、逆にマイボールの時に相手との距離が近ければ、潰されやすくなるのは当然のこと。自陣でビルドアップをする時はボールを失うことが少なかった日本だが、特に前半は南野がボールを受けようとするハーフライン付近を狙われたことで、結局、前にボールを運べず、攻撃がノッキングを繰り返した。

 アメリカ戦では、FW前田大然(セルティック)を筆頭に、MF伊東純也(スタッド・ランス)、MF久保建英(レアル・ソシエダ)がハイプレスを機能させ、鎌田の守備の負担がいい意味で軽減され、相手との距離を上手く取れていた。しかしこの日はFW古橋亨梧(セルティック)が猪突猛進なプレスをはがされ、左のMF三笘薫(ブライトン)も強度を欠いていたため、南野の守備の負担も大きかった。

 ボールを収めることができず、ハイプレスでボールを回収することもできなければ、相手陣内にボールを運ぶことは困難であり、シュートに至らないのも無理はない。前を向く力に加えて、いかにフリーになってボールを受けやすいポジションを見つけるかも、エクアドル戦では物足りなく感じられた。

 後半12分には、三笘のドリブル突破から左足ボレーのシュートチャンスを得たが、67分間のプレーで本当に決定的だったシーンは、これくらいしかなかった。アメリカ戦で先制ゴールを決めた以外にも、多くのフィニッシュの場面に絡んだ鎌田との差は明白だった。

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