久保建英の左サイド起用、メリット&デメリットは? アメリカ戦から考察…アピール成功も浮上した2つの懸念点
4-2-3-1の左サイドMFで先発、攻撃に絡みつつ守備にも奔走したプレーを検証
スターティングイレブンが発表されてから、実際にピッチに選手たちが並ぶまでの間、最も不透明だったのは、MF鎌田大地(フランクフルト)とMF久保建英(レアル・ソシエダ)のどちらがトップ下を務め、どちらが左サイドに入るのかという点だった。
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前日の会見で森保一監督は、すでに4-1-4-1か、4-2-3-1の採用を明言していた。今季のリーグ戦で鎌田はトップ下だけでなく、左サイドでも起用されている。一方、久保は右ウイング、2トップ、トップ下でプレーしていたものの、スタートから左サイドで起用されたことがなかった。しかし、鎌田が最も結果を出しているのはトップ下でプレーしている時であるため、監督の選択が注目された。
結果、左サイドで起用されたのは左利きの久保で、鎌田は最も得意とするトップ下でプレーし、1ゴールを挙げて結果も出した。では、左サイドでプレーした久保は、どうだったのか。結論からすると、大いにアピールはできたと言えるだろう。
カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選では、左サイドはMF南野拓実(ASモナコ)が務めてきた。ゴール前での決定力を示し、貴重なゴールを挙げていた南野だが、その一方でチャンスメイクに関しては、MF伊東純也(スタッド・ランス)のいる右サイドに偏重しており、物足りなさが指摘されていた。
この日、高い位置からプレスを仕掛けた日本は、FW前田大然(セルティック)がスイッチを入れ、それに伊東と久保も連動する形で相手のパスコースを限定し、苦し紛れのパスを何度も出させた。高い位置でボールを奪ってからは、個の力のある伊東、久保がチャンスメイクや自らゴールに迫り、得点の予感を漂わせた。この点について、久保自身も「要所でカウンターの起点になれた」と、確かな手応えを語っている。
後半に入ると、久保は頻繁に中央や時には右サイドへも移っていった。左でのプレーが窮屈だったのかと思われたが、「もともとは鎌田選手とどんどん変わって、どっちになることもある」と、トップ下と左サイドを流動的に動き、相手のマークをかく乱させる狙いがあったことを明かした。ただし、前半はアメリカが極端に日本の左サイドに対して、サイドバック(SB)が高い位置を取ってきて数的優位を作ってきていたことから、久保も守備に引っ張られることになり、思い通りに攻撃に絡めなかったという。