「土壇場でなんとかする」浦和の伝統 ACL準決勝・全北現代戦で見せた王者へのこだわり

「ACLは常に浦和レッズの名前がある大会でありたい」(西川)

 浦和はこれまでにもACLを2回優勝し、ほかにもルヴァンカップや天皇杯など伝統的にカップ戦で強さを見せてきた。その過程には必ずと言っていいほど「土壇場でなんとかする」試合があった。このACL出場につながった昨季の天皇杯は、退団が決まっていたDF槙野智章(ヴィッセル神戸)が後半アディショナルタイムに決勝ゴールを決めた。2017年のACL優勝では済州ユナイテッド(韓国)戦で延長戦の末に勝利し、川崎フロンターレ戦は敵地で1-3の敗戦を喫したところからホームで4-1と逆転した。ユンカーの同点ゴールも、その系譜に並ぶだろう。

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 そして、PK戦でのフラッグに包まれた光景は2007年のACL優勝時、準決勝で城南一和(韓国)とのPK戦を制した時と同じだった。幼少期から浦和のファンで、下部組織でも育ったMF伊藤敦樹は交代で退いた後のPK戦に「あの旗を振っている感じは(07年と)同じだなと思いながら見ていましたし、あの雰囲気があったらPK戦は負ける気がしないですね」と振り返った。

 浦和は早くからアジア、世界へと目を向けることを宣言し、このACLを重要視してきた。これが8回目の出場となるが17年、19年、そして今大会と直近で出場した3回を連続で決勝進出という結果を残す。西川は「ACLに関しては、常に浦和レッズの名前がある大会でありたい」と胸を張った。

 変則開催で決勝は来年2月に西地区の王者とホーム&アウェー開催となる。シーズンをまたいで迎えるイレギュラーかつ困難な条件だが、勝負を決める第2戦はホームとなる。ACL現行方式になってアジア単独最多3回目の優勝に向け、浦和らしさのある勝ち上がりで王手をかけた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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