日本、ビルドアップでなぜミス頻発? 森保監督「試したかった」…テスト起用の影響指摘

日本代表の森保監督【写真:高橋 学】
日本代表の森保監督【写真:高橋 学】

6月4試合で組み立て時のミスが目立つ、森保監督が拙い試合運びの要因に見解

 日本代表の森保一監督は、6月14日のキリンカップ決勝戦チュニジア戦で0-3の完敗を喫した後の試合後記者会見で、ビルドアップでのミスが頻発した理由を、テストを優先した慣れていない組み合わせの選手起用にあるという見解を話した。

 日本は最終ラインからボールをつなごうというなかで、相手がアンカーのMF遠藤航を自由にさせない対応を取ってきたことで苦しんだ。この日はインサイドハーフにMF鎌田大地とMF原口元気の攻撃的な2人が入ったが、ハーフタイムに原口をMF田中碧に交代。こうした起用を森保監督は「一言で言うと、色々な組み合わせを見たかった、試したかった」と話している。

 そうしたなかで日本は後半に判断ミスや連係ミスから3失点と拙い試合運びを見せての敗戦。3点差での敗戦は2019年11月のベネズエラ戦(1-4)以来の27試合ぶりになった。

 こうした不具合を多く見せた理由について、森保監督は「まずは人の組み合わせかなと。これまでの試合、序盤20分過ぎくらいまで選手を変えながら戦うなか、選手たちがお互いの意識をすり合わせながらやっているところがあった」と、6月の4試合でかなり起用選手を変えながら戦ってきたことによるデメリットが出たという認識を話している。

「選手の判断というより、私の送り出した組み合わせ、選手にプレーしてもらう環境設定が難しかったかなと思う。25分くらいからは相手の狙いも感じながらパスでタメを作ってサイドを突くこと、難しい設定の中でも攻撃の糸口を探して我慢強くプレーして良い流れに持っていってくれた。元気に関しても、前回のプレーの中、パラグアイ戦の右サイド山根、堂安と構築したものをそのまま使ってあげられればスムーズだったなか、今日は長友と伊東だった」

 森保監督はあくまでも本大会を見据えて「チームとして全体的に出場時間を取れて色々な組み合わせを見ることができた。敗戦は受け入れてはいけないが、個々と全体の底上げになったと思う」と、準備段階としてポジティブなプロセスだったことを強調した。

 今後、7月に国内組だけで戦う東アジアE-1選手権を経て、9月に国際親善試合2試合。その後は直前のまとまった合宿の期間は取れずに本大会へと突入する。デメリットを覚悟でシャッフル起用した成果を見せることができるか、今後の戦いぶりが試されることになった。

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング