神の子トーレスがチェルシーへの“裏切り移籍”の真相を暴露 「リバプールには罪人が必要だった」

「僕は彼らに、裏切り者として印象づけられた」

「当時強化部長を務めていた(ダミアン)コモリが僕に対し、新たなオーナーがどのように資金を投資していくつもりなのかを報告したんだ。若い選手をチームに連れてきて、新しい土台を作ろうとしていたそれには時間のかかることだとわかっていた。2年、3年、4年、もしかしたら10年もかかってしまうことだということをね」

 トーレスは5年間の沈黙を破り、強化幹部との会談内容を明らかにした。キャリアのピークに差し掛かる時期に、若返りを図るリバプールでプレーを続けることに危機感を募らせていた。

「僕には、時間が残されていなかった。当時は27歳だった。チームの完成を待つ時間は、なかったんだよ。僕は勝ちたかった。実際、あれから5年がたったが、彼らはまだチーム作りの途中にいる。僕が去った時と、まだ同じような順位に留まっているのだから。そして僕は彼らに、裏切り者のように印象付けられた。リバプールは、自分たちがチーム全体で悪い方向に向かって行っていることを認めるわけにはいかなかった。だから、彼らは罪人を探さなければならなかったんだ」

 トーレスはチェルシーでUEFAチャンピオンズリーグ制覇を経験することが叶ったものの、最後までチームに馴染めず退団することになった。その後、ACミランへの期限付き移籍を経て、2015年に古巣アトレチコへと復帰した。昨季は自身初となる5試合連続ゴールを達成し、欧州チャンピオンズリーグ決勝にチームを導く活躍で復権を果たした。

 新たにアトレチコと1年契約も結んだ”神の子”はリバプールを去ってから5年半が経った今でも、あの頃と変わらず「優勝」の2文字に貪欲な野心を燃やし続けている。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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