「どうなるかは状況次第」 引退も囁かれるイブラヒモビッチが去就に言及「うまくいけば最後の試合にはならない」
今季最終節サッスオーロ戦に途中出場
イタリア1部セリエAは現地時間5月22日に今季最終戦が行われ、サッスオーロに3-0で勝利したACミランが2010-11シーズン以来の優勝を果たした。元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチは途中出場で試合を終えると、引退について「うまくいけば、そうならない」と言葉を濁した。
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ミランは引き分け以上で優勝が決まるものの、敗戦すれば2位転落の可能性もあるプレッシャーの中でキックオフ。すると、今季加入のフランス代表FWオリビエ・ジルーが前半だけで2ゴールし、コートジボワール代表MFフランク・ケシエも追加点を奪って前半3得点と勝負を決めた。プレッシャーから解放された後半にはイブラヒモビッチも途中出場し、オフサイドで取り消しになったものの幻のゴールシーンもあった。
イタリア国内で中継を担当したスポーツチャンネル「DAZN」の試合後インタビューに応じたイブラヒモビッチは、「最も満足のいくリーグ優勝だった。ミランに戻った時、あるジャーナリストが『普通、一度プレーした場所に戻ってくる人は、以前より成果を残せないものだ』と言った。だが、自分はミランを頂点に導いてリーグ優勝する約束し、みんなに笑われながらも成功させた。ミランはハードワークして、それが報われた」とプライドを示した。
イブラヒモビッチは前回の優勝時にはミランのエースとして活躍したが、その翌シーズン限りでチームの財政難もあって退団。その後ミランは暗黒時代を迎えたが、経営陣の変更などの転機もあり、2020年1月にイブラヒモビッチが復帰。そこから着実に再建し、ついにイタリアの頂点に戻った。
一方で40歳になったイブラヒモビッチには、膝やアキレス腱の負傷がありシーズンをフル稼働できなかった。前半戦で7ゴールも、後半戦は1ゴールで大きな貢献はできずに終わった。6月に行われるスウェーデン代表のUEFAネーションズリーグも欠場が決まっている。引退の可能性も囁かれるなか、その件についてイブラヒモビッチははっきりした言葉を避けている。
「まずは自分が良い状態を取り戻すことだ。もしここから数日間がうまくいけば、今日が最後の試合にはならないだろう。どうなるかは状況次第だ。もし、手術することになったら?数日後にどうなるか、様子を見てみよう」
若手に切り替わりながら、イブラヒモビッチはベテランとして精神的な支柱になった。強化部門ではクラブのレジェンドである元イタリア代表パオロ・マルディーニ氏が手腕を振るうなど伝統と世代交代をミックスさせてきたミランでは、来季に向けてバーレーンに本拠を置く「インベストコープ」が巨額で経営権を買い取って資金的な余裕を手にする可能性もある。
イタリア王者として欧州の舞台に打って出ることになる来季のミランにイブラヒモビッチは名を連ねるのか。クラブの体制を含め、ミランが再び欧州で主役級の地位を取り戻すことができるのか注目される。