前田大然とチアゴ退団の影響は? 横浜FM、元日本代表DFが開幕戦で感じた収穫と課題

開幕戦でC大阪と引き分けた横浜FM【写真:Getty Images】
開幕戦でC大阪と引き分けた横浜FM【写真:Getty Images】

【栗原勇蔵の目】開幕戦ではハイライン・ハイプレスのスタイルは機能し切らず

 新シーズンに王座奪還を狙う横浜F・マリノスは、2月19日に行われたホームでのJ1開幕節・セレッソ大阪戦で2-2と引き分けた。日本代表FW前田大然(→セルティック)、ブラジル人DFチアゴ・マルチンス(→ニューヨーク・シティFC)と攻守の要が抜けたなかで、ケヴィン・マスカット監督体制2年目の初陣は、元日本代表でクラブOBでもある栗原勇蔵氏にどのように映ったのか。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 横浜FMは昨年末にJ1得点王の前田大然、開幕前の2月上旬には守備の要であるチアゴ・マルチンスが退団。代わりに攻撃陣ではFW西村拓真(←ベガルタ仙台)とFWアンデルソン・ロペス(←武漢)、守備陣ではDF永戸勝也(←鹿島アントラーズ)、DF小池裕太(←セレッソ大阪)、DFエドゥアルド(←サガン鳥栖)らを補強した。

 開幕戦ではFWレオ・セアラ、FW仲川輝人、MF水沼宏太が3トップ、ブラジル人FWマルコス・ジュニオールがトップ下の陣容でスタート。前半40分にコーナーキック(CK)から失点して先制を許したなか、後半21分から途中出場したA・ロペスが1得点1アシストの活躍を見せて一度は逆転した。終了間際に再びセットプレーからゴールを奪われ、最終的には2-2で勝ち点1の獲得にとどまっている。

 近年、横浜FMの代名詞ともなっていた「ハイプレス・ハイライン」に影響はあったのか。栗原氏は「サッカー自体は悪くなく、コンディションが上がり切っていない選手もいるなかで最低限の結果」と語る。

「多少のピンチはあったとはいえ、守備は安定していました。攻撃に関して言えば、昨季のシーズン後半戦は(前田)大然のプレスがはまって、高い位置で攻撃してゴールを奪う形がハマっていたけど、セレッソがブロックを作って対策してきていたので、スピーディーな裏を突くサッカーをさせてもらえなかったですね」

 そのなかでは、後半21分のA・ロペス、FWエウベル投入が流れを変える1つのポイントになったという。

「ロペスとエウベルを投入する交代策はかなり効きましたね。1人で(マークを)剥がせる選手が2人同時に入り、追い回してブロックを作りながら得点が取れましたから。ゴールが決まってボールが回り始め、本来のマリノスらしいサッカーに急に変わりました。右サイドに選手がだぶついていて、先発した水沼、エウベル、左サイドで出た仲川も本当は右。サイドの最適解を見つけたうえで、ロペス、レオ(セアラ)、西村(拓真)が何点取れるか。いろんなオプションがあって、チャンスも多く訪れそうなので、今年何ゴールを奪えるかは鍵になると思います」

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