2022年「Jリーグ注目ポイント」独自ランキング発表 新体制、大ベテラン復帰、史上稀に見る混戦も

新監督が開幕戦から指揮を執れない可能性も… 「史上稀に見る激戦のリーグ」に

【3位】鹿島レネ・ヴァイラー

 昨年はザーゴ監督が途中で退任、コーチだった相馬直樹監督の下で4位フィニッシュした鹿島。これまでメジャータイトル20冠を獲得した名門は、新時代にマッチした戦術で強い鹿島を取り戻すため、スイス人のレネ・ヴァイラー新監督に託すこととなった。アグレッシブにゴールを目指すスタイルをスムーズに植え付けられるかが鍵になるが、ベルギーのアンデルレヒト、エジプトのアル・アハリを1年目でリーグ優勝に導いており、欧州ベースの監督としては堅守速攻よりであるため早期にチームが軌道に乗る期待もある。ただ、コロナ禍での入国制限によっては今年の徳島ポヤトス監督のように、プレシーズンの合宿はもちろん開幕戦から指揮を執れない可能性があり、スタートダッシュを考えても懸念されるところだ。

【2位】史上最も過酷なJ3

 J3に降格した松本の名波浩監督が、契約更新にあたり「史上稀に見る激戦のリーグになる」とコメントしたが、ほぼ100%間違いない。昇格は上位2枠。J2から4つ降格することもあるが、既存のJ3クラブも強力だ。今年4位で昇格を逃したカターレ富山、三浦俊也監督が就任し、大型補強も予想されるFC岐阜、J3での躍進を糧にJ2ライセンスの取得が期待されるテゲバジャーロ宮崎、福島ユナイテッドなど。結果がそうなるにしても18クラブによって競われるJ3はJ1、J2に勝るとも劣らない過酷なシーズンになりそうだ。

【1位】満員のスタジアム

 この2年間、緊急事態宣言に伴う開催延期から無観客試合を経て、入場や応援スタイルに制限がかけられたなかで行われてきた。来年もチャントの声出し禁止など、応援に制限はあるものの、100%の収容で開催されることが期待されている。海外でのオミクロン株の蔓延など依然、感染対策に予断を許さないが、シーズン中にも本来のサポーターの応援がある環境でホーム&アウェーが行われることを願いながら、ようやく戻ってきたスタジアムの雰囲気を噛み締めながら観戦、取材していきたい。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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