“ほぼパーフェクト戦術”に敗れた清水 J1残留争い直接対決で執念を感じさせたが…

先制点を奪われると勝ち点獲得率30%の清水、選手を投入して反撃に出るも…

 動きがなかった前半から一転して後半は立ち上がりから激しいゴール前での攻防となった。後半2分、MF竹内涼からの浮き球をFWチアゴ・サンタナがヘディングでそらすと、ペナルティーエリア内でDFエメルソン・サントスに当たってゴール前にこぼれた。そこへMF西澤健太がフリーでシュートを放ったが、枠を捕らえることはできなかった。すると同8分に柏が清水陣内の左サイドのスローインからボールをつなぎ、逆サイドまで展開。そこへエリア内まで侵入したDF三丸拡が左足を振り抜き、GK権田も反応できないシュートが清水ゴールに突き刺さった。

 三丸は試合後、「確かにリスキーな部分もあるが、行くことで逆にチャンスになる」と話し、結果を恐れずにリスクを冒して攻撃参加したことで勝ち点獲得率100%の先制点を得ることができた。この場面では清水の選手の戻りとポジショニングに問題があったかもしれないが、三丸の思い切りの良いシュートを褒めるべきだと感じた。

 先制点を奪われると勝ち点獲得率30%となってしまう清水は、後半15分に8試合ぶりにメンバー入りしたMF中山克広と6試合ぶりにメンバー入りしたMF河井陽介を投入。同25分には2試合ぶりに出場となったMFベンジャミン・コロリを入れて反撃に出た。

 中山のスピードと河井の配給、そしてB・コロリの攻撃力で決定機を作るが、柏ゴールを割ることができなかった。さらに同40分には左サイドバックのDF片山瑛一に代えてFWディサロ燦シルヴァーノを送り出す。それによりアクセントになっていた中山をサイドバックに下げることを選択したが、あの場面ではリスクを冒し3バックにして、前線に人数をかけても良かったのではないかと感じたが、試合はそのまま0-1で終了し、残留争いを一歩抜け出す戦いは柏に軍配が上がった。

 内容的にはそこまで良かったとは思わないが、ネルシーニョ監督はこの清水戦のために準備したことが実現でき、「攻守における戦術はほぼパーフェクトに近かった」と大きな勝ち点3に満足している様子だった。

 柏の術中にハマってしまった試合となったが、今節の結果で降格圏の20位・横浜FCと18位・大分トリニータが勝ち点3を得て、17位・湘南ベルマーレは勝ち点1を手にし、その勝ち点差は縮まったが、この試合の終盤に見せた攻撃には勝利への執念は感じられた。今後の対戦相手は清水よりも上位チームが続き、簡単には勝ち点を奪えない戦いが予想されるが、選手たちには仲間を信じ、強い気持ちを持って試合に臨んでくれることを信じている。

下舘浩久

しもだて・ひろひさ/1964年、静岡市(旧清水市)生まれ。地元一般企業に就職、総務人事部門で勤務後、ウエブサイト「Sの極み」(清水エスパルス応援メディア)創設者の大場健司氏の急逝に伴い、2010年にフリーランスに転身。サイトを引き継ぎ、クラブに密着して選手の生の声を届けている。

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