「先輩に頼らない」 昌平の“ニューカマー”MF平原、威風堂々のフィニッシャーぶりの理由

「自分の仕事でプレーメーカー的な役割ですが、シュートは常に意識している」

 新型コロナウイルスの感染拡大で休校となっていたが、部活動が再開された6月半ばからレギュラーの座を掴んだ。「自分のセールスポイントは技術です。それを練習でアピールできた。2年で試合に絡めないと、3年生になってもダメだと思っていたので、努力してスタメンを取れてうれしい」と話していた。

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 昌平の下部組織とも言える中学生年代のクラブチーム「FC LAVIDA」の5期生だ。来季鹿島に加入するMF小川優介や小見、荒井もLAVIDAの出身で、昌平のコーチ陣が昌平の人工芝グラウンドで指導し、技術を徹底的に鍛えているのだから、上手になるのもうなずける。

「ゴールに直結するアシストやビルドアップが自分の仕事でプレーメーカー的な役割ですが、シュートは常に意識しているし、先輩に頼らず自分でゴールを決めて勝ちたいという気持ちが強い」

 ここ数年の昌平は、次から次へと才気煥発なニューカマーが登場してくる。平原はこのチームではその代表格と言える。

 埼玉県予選では小見の4点に次ぐ3ゴール。決勝では先制点とダメ押しの3点目を決める活躍を見せ、2連覇を引き寄せた。

 おとなしい性格で口数も少なく、普段は人見知りが激しいという。166センチ、57キロの細みのテクニシャンだが、ひとたびピッチに入ると威風堂々たる働きぶりで、遠慮なしにゴールを頂戴する実に頼もしい存在なのだ。

(河野 正 / Tadashi Kawano)



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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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