日本代表が露呈したメキシコとの「修正力」の差 “悪夢”から変わらぬ課題…森保采配にも疑問符

メキシコ代表相手に後半の2失点で敗れた【写真:AP】
メキシコ代表相手に後半の2失点で敗れた【写真:AP】

メキシコは後半に布陣変更で日本の“弱点”を見出す 敵将「先回りしてプレーして…」

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランク27位)は現地時間17日(日本時間18日)、オーストリア・グラーツでメキシコ代表(同11位)との国際親善試合に臨み、0-2で完敗した。後半18分に2020年の国際Aマッチ4試合目で初めて失点を許すと、同23分にも立て続けに追加点を許した。13日のパナマ戦から先発を9人入れ替え、4バックで臨んだ年内ラストマッチは、メキシコとの「修正力」の差を見せつけられた。ゴール前での決定力だけではなく、交代カードを含めた采配に“疑問符”が残る結果となった。

 ワールドカップ(W杯)の直近7大会連続でベスト16入りを果たしているメキシコと、明確な差が浮き彫りになった。霧に包まれた後半だった。前半は何度もチャンスを作り出していたものの、後半は流れが一変。メキシコに押し込まれる展開で、後半18分に今年の強化試合で初失点を許す。相手MFロベルト・アルバラド(クルス・アスル)のパスにエースFWラウール・ヒメネス(ウォルバーハンプトン)がペナルティーエリア内で反応し、反転しながら日本のDFを翻弄すると、最後は右足アウトサイドで技ありのシュートを決めて先制。流れがメキシコに傾くと、続く同23分にもFWイルビング・ロサーノ(ナポリ)に追加点を許した。

 前半には決定機があった。同12分、原口がまず魅せる。カットインから強烈なミドルシュートを枠内に放つと、さらに同15分には原口のラストパスからFW鈴木武蔵が1対1の決定機を迎えた。だが、いずれもGKギジェルモ・オチョアの好守に阻まれ、さらにこぼれ球を拾ったMF伊東純也のシュートもセーブされた。日本がボールを保持して敵陣に攻め込む回数の多い展開で、サイドを切り崩すシーンもあったが、ラストパスがなかなか合わず。メキシコに大きなチャンスをほぼ作らせない試合運びだったが、後半は流れが変わった。

 ハーフタイムを終えて、メキシコが「修正力」を見せる。ヘラルド・マルティーノ監督は、後半開始から右サイドバック(SB)のDFルイス・ロドリゲスとMFエドソン・アルバレスを投入し、システムを4-3-3の中盤3枚から2ボランチに変更した。前半はパスをつないでゴールに迫っていたものの、日本の守備にはまり危険なシーンを何度も作られていた。そこで、日本の攻撃を組み立てていたトップ下のMF鎌田大地に対して、アルバレスがマンツーマン気味につき、中央とサイドを使い分けて1対1で突破を図った。日本の“弱点”を見出し見事に修正した敵将は、試合後にこう明かしている。

「先回りしてプレーして、日本の選手にやりにくい状況を作って勝利することができた。後半、メキシコは普段あまりやらない2ボランチにした。中盤のインテンシティーで負けていたので、2ボランチの前に(FWオルベリン・)ピネーダを入れた。それによってフィジカル面、サッカー面で上手く戦えたと思う」

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