これが清水の目指すサッカーなのか シュート数“2対15”、実質5バック…攻撃の形はどこへ?

清水エスパルスは鳥栖に1-1ドローで6連敗回避も…【写真:小林 靖】
清水エスパルスは鳥栖に1-1ドローで6連敗回避も…【写真:小林 靖】

【J番記者コラム】鳥栖に1-1ドローで6連敗回避も…最後まで見えなかった攻撃の形

 今シーズン3度目の5連敗中だった清水エスパルスは18日、J1リーグ第23節で4連敗中のサガン鳥栖をホームに迎えた。前回の対戦も清水が開幕から5連敗中で鳥栖との対戦となり、その試合は前半19分にFWカルリーニョス・ジュニオが先制点を決めたものの、同35分にMF原川力に決められて同点とされ、そのまま1-1で引き分け6連敗を免れている。

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 今節は8月下旬から筋肉系の怪我のために離脱していたDFファン・ソッコが12試合ぶりに復帰。第20節大分トリニータ戦(1-2)で負傷して2試合欠場したDF立田悠悟も復帰することもあり、守備陣に本職の選手が揃うことで現有戦力をやり繰りして構成していた3バックから、本来の4バックに戻すことも考えられたが、ピーター・クラモフスキー監督はこの試合も3-5-2のフォーメーションを継続した。

 攻撃的なスタイルで臨んだ今シーズンだったが、前節終了時点で失点53とリーグ断トツの失点数から、3バックというよりは5バックで守るスタイルとなっているのが正直なところだろう。これが「自分たちのサッカー」の進化なのか、変化なのか……。「先制点を許さない」「良い守備から」ということは今の清水にとって重要だが、後ろに重心がかかるため前線の人数は足りなくなる。

 この日も前半はシュート0本。90分でも2本しか打てず、攻撃の形が見えなかった。逆に鳥栖の総シュート数は15本。ただ、枠内シュートは少なく、清水の守備が利いていたというよりは鳥栖の最後の質に助けられた印象は強かった。

 また、試合を通して攻撃のテンポもリズムも生まれなかった。清水は3試合連続でアンカーにMF西村恭史が入ったが、ボールを持つと鳥栖のFWチョ・ドンゴンがプレスバック。金明輝監督が試合後の会見で語った「ビルドアップの出口」をしっかりと抑え込まれた。そのことで2シャドーのMF鈴木唯人、MF後藤優介が下りてボールを受けざるを得ない状態となり、バランスが崩れ、前線での仕事ができていなかったこともその原因の一つだった。

 後半に入っても劣勢が続いていたが、同27分にCKからDFヴァウドがヘディングシュートを決めて先制。しかし同40分に守備が耐え切れず、ゴール前の混戦を鳥栖FW林大地に押し込まれ1-1の同点とされた。前回の対戦と同じ展開とスコアで、連敗は再び引き分けによって食い止められることとなった。

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下舘浩久

しもだて・ひろひさ/1964年、静岡市(旧清水市)生まれ。地元一般企業に就職、総務人事部門で勤務後、ウエブサイト「Sの極み」(清水エスパルス応援メディア)創設者の大場健司氏の急逝に伴い、2010年にフリーランスに転身。サイトを引き継ぎ、クラブに密着して選手の生の声を届けている。

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