ベンゲル、猛威を振るう中国の”爆買い“について「日本もそうだった」

ベンゲルが示したJリーグの事例

「中国はこの勢いを持続させる希望を保つかって? 思い出してほしい。日本もかつて、彼らのような大型補強を試みた。しかし、長続きはしなかったね」

 1993年のJリーグ開幕とともに爆発的なサッカーブームが到来した日本の各クラブは、経験豊富なベテランを中心に多くの世界的なスター選手を買い集めた。MFジーコ(鹿島アントラーズ)、FWギャリー・リネカー(名古屋グランパス)、MFピエール・リトバルスキー(ジェフ市原)、FWラモン・ディアス(横浜マリノス)といった各国のレジェンドが、新興国のプロリーグ開幕に花を添えたが、その後は世界の最前線で活躍する選手を引き抜くケースが多く見られるようになっていく。

 94年のアメリカW杯で優勝を果たしたブラジル代表からは、主将のMFドゥンガが95年にジュビロ磐田に加入。鹿島には94年にMFレオナルド、95年にDFジョルジーニョと当時の世界最高クラスのタレントが集結した。95~96年にベンゲル監督が率いていた当時の名古屋にもMFドラガン・ストイコビッチが在籍し、8シーズンに渡って華麗なプレーを披露。さらに97年には、ガンバ大阪に全盛期のカメルーン代表FWパトリック・エムボマが移籍してくるなど、枚挙に暇がないほど大物助っ人の獲得が続いた。だが、2000年代に突入して以降は徐々にJクラブの資金力が低下。大枚を叩いてスター選手を連れて来るケースは一気に減った。

 こうした栄枯盛衰の歴史を踏まえて、名古屋を指揮した経験のあるベンゲル監督は、今回の中国の”爆買い”について、かつての日本で起きた「一大バブル」に近しいと捉えているようで、日本同様、数年後にはその勢いも収まるだろうとの見解を示していた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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