かつての常勝軍団の面影はなく…

　マンチェスター・ユナイテッドが26日の敵地ストーク・シティ戦に0-2と敗れ、”赤い悪魔”にとっては1961年10月以来となる屈辱の4連敗となった。数々の栄光をもたらしてきた名門のOBは、あまりに弱いチームにショック状態となっている。

　前半19分、エースナンバー「7」を背負うオランダ代表FWメンフィス・デパイは、自陣左サイドの深い地点で浮き球のボールをGKデ・ヘアに戻そうとダイビングヘッドでバックパス。しかし、パスの勢いはあまりに弱く、目の前に力なくボテボテと転がった。背後から詰め寄ったDFジョンソンが悠々とカットすると、中央に折り返す。これをFWボージャン・クルキッチが右足で冷静に決めて、ストークがあっさりと先制した。

　この衝撃のシーンに、元イングランド代表DFのリオ・ファーディナンド氏は悲しみのツイート。「驚きすらないよ。そのことがマン・ユナイテッドに関する痛みをより強くする。頑張れよ、みんな」と傷心を明らかにしている。

　元トリニダード・トバゴ代表FWのドワイト・ヨーク氏は、衛星放送「スカイ・スポーツ」で解説し、「マン・ユナイテッドの試合を見ることは心痛の極みだ。チームに自信喪失が見受けられる。輝きのようなものはまるでない」とバッサリ。「ベンチを見るにつけ、ウェイン・ルーニーを除き、何かをもたらし、違いを見せることができる人間はいない。どのポジションを見ても人材不足に思える」と、就任2年間で2億5000万ポンド（約460億円）もの強化費を費やしたファン・ハール軍団を「タレント不足」と断罪している。

　世界屈指の名門と呼ばれた常勝軍団を支えたクラブレジェンドは、あまりの凋落ぶりに心を痛めている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images