長谷部誠とフランクフルト、開幕直後の苦闘 ブンデス&ELの“二兎”を追う新たな挑戦

“セカンドグループ”の底上げができるか、問われるヒュッター監督の手腕

 ローテーションの頻度と精度は、今季重要な役割を担う。昨季はセカンドグループの選手との実力差があったがために、主力組は終始試合に出続けなければならなかった。それだけに今季は、よりレベルの高いポジション争いが求められる。そこを長谷部も指摘する。

「この間の木曜日のような試合(ファドゥーツとのEL予選3回戦第2戦/1-0)で、もっともっと他の選手がアピールしないといけなかった。実際に監督もそれを言っていて、物足りなかったと言っていた。今の状態だと、誰か重要な選手が欠けるとチーム力が少し落ちてしまう部分もあるので、そういう部分では底上げは重要かなと思います」

 普段、出場機会が少ない選手はいざプレーチャンスを手にするとアピールしたいという思いが強くなりすぎて、本来の自分のプレーを発揮できないことが少なくない。そうした心理はとても自然なものだが、それでも試合の状況に応じて時に冷静に、時に勇敢に自分の長所を発揮することが要求される。

 そしてこれは、選手サイドだけでどうこうする問題ではない。レギュラー組だけではなく、こうしたセカンドグループの選手のレベルを上げることも、監督には求められるのだ。そういった意味ではアディ・ヒュッター監督は新たな挑戦と対峙するシーズンとなる。どんな手腕を見せてくれるのか、注目して追いかけたい。


(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)


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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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