鎌田の1トップはあり? なし? 選手の声から探る日本代表“新オプション”の可能性

コロンビア戦の鎌田大地【写真:Noriko NAGANO】
コロンビア戦の鎌田大地【写真:Noriko NAGANO】

ボリビア戦ではA代表初先発 3月シリーズでは1トップとして最長の出場時間を記録

 日本代表は26日のキリンチャレンジカップ・ボリビア戦に1-0で勝利し、3月2連戦を1勝1敗で終えた。新戦力を融合させることでベースアップを図った今シリーズのテーマの一つが、FW大迫勇也(ブレーメン)への依存脱却だった。1トップにはFW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)、FW鎌田大地(シント=トロイデン)、MF南野拓実(ザルツブルク)の3人が起用されたなか、最も長いプレー時間を得た鎌田は今後、エース不在時のオプションとなるのか。選手、監督の声から可能性を検証する。

 森保一監督は26日のボリビア戦でスタメン11人を変更。A代表初選出の鎌田を1トップとして送り出した。途中出場した22日のコロンビア戦(0-1)では、「本当はもっとボールに触りたいけど、一番前のポジションなので我慢しないといけないと思った」と語ったように、中盤まで下りず、最前線で裏への抜け出しを意識していた。しかし、ボリビア戦では中央で相手を背負いながらボールをはたくだけでなく、サイドのスペースに流れてパスを受ける、あるいは中盤まで下りて組み立てに加わるシーンが何度も見られた。

 後半13分にはMF乾貴士(アラベス)のスルーパスを受けてGKと1対1になったが、相手の好セーブに遭いゴールネットを揺らせず。MF中島翔哉(アル・ドゥハイル)、南野、MF堂安律(フローニンゲン)の“2列目トリオ”が入って迎えた後半35分には堂安のクロスに飛び込んだが、わずかに合わなかった(結果はオフサイド判定)。

 鎌田は結局、後半38分までプレー。後半34分から途中出場したコロンビア戦と合わせて計94分間のプレータイムは、鈴木(計72分間)、南野(計14分間)を上回り、今シリーズで1トップとして起用された選手のなかで最長だった。

 監督から与えられた役割について鎌田は、「得点も求められていたけど、周りを上手く使って生かす、時間を作ることも求められていたと思います」と語り、後者に関しては「徐々にボールも触れるようになって、良い受け方を見つけて収められるようになったので、今日の1試合で成長できた」と初挑戦のポジションに対して手応えを覗かせていた。

 森保監督もボリビア戦後の記者会見で、「技術が非常に高い選手でコンビネーションも時間を追うごとに良いプレーをしてくれた。素早く背後に出たわけではないですけど、GKと1対1の場面を作った抜け出しは、2トップでも1トップでも変わりない彼の良さを出してくれたと思います」と一定の評価を与えている。

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