伊紙が今季と昨季のミランを徹底比較 「ミハイロビッチは全てでピッポ未満」 

まるで別人の本田

 失点を補う攻撃力があるかと言えば、それも「ノー」だ。今季は7試合で8得点と、1試合平均1得点を辛うじて上回っている。稼ぎ頭は、コロンビア代表FWカルロス・バッカの3ゴールだ。一方で昨季は、2倍となる16ゴールをマークして1試合平均2得点を上回っていた。チーム内得点王は本田の6ゴールで、FWジェレミー・メネズが3ゴール。2人だけで今季のミランを上回っている。

 その分析は、移籍市場で費やした移籍金の額にも及んだ。今季は、バッカに3000万ユーロ(約41億円)、ブラジル代表FWルイス・アドリアーノに800万ユーロ(約11億円)を投資し、FWマリオ・バロテッリをレンタルで獲得した。つまり、3人に対して3800万ユーロを投資した結果が8ゴールであるとしている。内訳では、バッカが3ゴール、アドリアーノとバロテッリがそれぞれ1ゴールずつだ。

 一方で、昨季の攻撃陣は本田とメネズがゼロ円移籍。スペイン代表FWフェルナンド・トーレスがレンタルでの獲得と、基本的なコストはゼロ。その中で16ゴールを記録し、前述したとおり本田と、メネズで9ゴール、トーレスが1ゴールをマークした。攻撃陣のコストパフォーマンスという意味でも、ピッポ政権をはるかに下回ると結論付けている。

 「私の辞書に辞任という言葉はない」と強気な姿勢を崩していないセルビア人指揮官だが、データ上は前任者を上回る部分が1つもないという惨状にある。UEFAチャンピオンズリーグの出場権が最重要課題とされる鬼軍曹だが、チームを上昇気流に乗せることはできるのだろうか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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