「心配し過ぎてはいけない」 浦和オリヴェイラ監督、ゼロックス杯敗戦も開幕後に照準

浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督【写真:Noriko NAGANO】
浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督【写真:Noriko NAGANO】

青木と武藤欠場を敗因の一つに挙げつつ宣言「公式戦をこなすにつれてフィットする」

 J1浦和レッズは、16日の富士ゼロックス・スーパーカップで川崎フロンターレに0-1で敗れた。オズワルド・オリヴェイラ監督は試合後、「本日は良いゲームをすることができなかった。川崎が勝利に値した」と敗戦をハッキリと認めた一方で、「心配し過ぎてはいない」と、あくまでもシーズン初戦であるという姿勢を崩さなかった。

 浦和はポルトガルの名門ポルトから期限付き移籍のブラジル人MFエヴェルトンと、セレッソ大阪から加入の日本代表FW杉本健勇がスタメンに入った。一方でオリヴェイラ監督は負傷で出遅れている昨季のレギュラー、MF青木拓矢とFW武藤雄樹の名前を挙げ、「彼らにはチームでも特別なタスクがあった。新しく入った選手がすぐにできるとは限らない。車は部品だけを代えても良いが、チームはそうではない。フィットには少し時間がかかることもある」と、昨季のベースから重要な選手を欠いたことを敗因の一つに挙げた。

 もっとも、90分間を通して川崎にかなりの時間帯でボールを保持され、シュート自体は前半21分にコーナーキックのこぼれ球をMF長澤和輝が狙った1本のみ。ボールを奪った後に勢いよく取り返しにくる川崎のプレスに手を焼き、「その部分が上手くできた試合では川崎に勝利することができたが、今日はそれができなかった」と、指揮官も自陣に押し込められた展開を打破できなかったことに触れている。

 とはいえ、ハーフタイムでエヴェルトンと杉本を交代させてMF阿部勇樹とFWアンドリュー・ナバウトをセットで、後半21分にはDF山中亮輔とMF柴戸海をセットで送り込み、同36分にMFマルティノスの投入と、試合前から用意されていた感のあるベンチワークも見せている。そして、オリヴェイラ監督は「公式戦をこなすにつれてフィットする」と、シーズン全体を見据えた言葉をつないだ。

 浦和は沖縄県で2回にわたって行われたトレーニングキャンプで、対外試合は2次キャンプ最終日の1回のみ。それも、各選手50分程度のプレータイムで終了させてゼロックス杯に臨んでいた。そのプロセスからも、シーズンの最序盤にピークに近い状態を持ってこようとしていないのは明らかだ。

 1次キャンプのほとんどを激しいトレーニングでのフィジカル強化に費やしたオリヴェイラ監督は「シーズンの中で本日より良い姿を見せられると思っている」と、ゼロックス杯をJリーグやAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の開幕に向けた足掛かりにする腹づもりを滲ませていた。

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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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