「ブレというのはない」。試合終盤のパワープレーについて言及されたザッケローニ監督が強く反論

 6月21日の練習を急きょオフにした指揮官は、日本サッカー協会の原博実専務理事と共に記者会見に臨んだ。同24日(日本時間25日)のコロンビア戦に向けた会見では、これまでの練習でテストしたこともなく、空中戦を前提としたメンバー選考をしていないにもかかわらず、終盤戦で繰り出しているパワープレー戦術に対する矢のような質問がメディアから飛んだ。

「パワープレー? 試合全体というより、数分のこと。自分たちのDNAの中で、そういったプレーがないのは分かっている。主導権を握って戦えるチームだというのは分かっている。ただ、相手が最後に守りを固めてきて突破できないときに、最後の数分にはパワープレーでトライもすべきだとは思っている。この日本代表の監督に就任して、日本のサッカー文化を尊重してやってきた。その中で、インテンシティーとアグレッシブさを付け足していこうとやってきた」

 いまだブラジルのピッチで見せつけることができていないジャパンスタイルには、パワープレーが存在しないという認識ではいるようだ。

「200試合ぐらいJリーグを見てきて、パワープレーというのはほとんど見られなかった。日本のサッカー文化にそういうものがないのは分かっている。だから、5分以上そういうプレーはできないと思っている。これまでの代表の戦いでも、ヘディングの強い選手を試合の終盤に試してみても、そういう選手が入っても、自分たちのつなぐ戦い方は変わらなかった。子どものころからの慣れなのか、ボールをつなぐ、(ボールを)失わないサッカーをしていて、そこは変わらないなと。チームでサイドに起点をつくった上で、幅をつくった上で、ミドルシュートだったり、中央でのプレーをチョイスしたりする戦い方をしている」

 日本代表監督在任4年間でも、視察したJリーグの試合でパワープレーの展開はほとんどなかったと力説している。日本のサッカー文化の主流ではなく、そのための練習も人選もしていないが、試合展開に応じては行わざるを得ないというのが、イタリア人指揮官の考えだ。報道陣からは「監督の戦い方にブレはなかったか?」という質問が浴びせられた。

「ブレというのはないですし、W杯直前までやっていた戦い方を貫くようにやっている」とザッケローニ監督は応じた。しかしながら、自力での1次リーグ突破が消滅する危機的状況で、今大会の指揮官のベンチワークから、落ち着きや平常心などを感じることはかなり難しいのが実情だ。

 

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
詳しくは、「LEGENDS STADIUM 2014 – FIFAワールドカップ公式動画」まで

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング