伊サッカー協会会長がバロテッリにエール 「再生できればイタリアの財産」

悪童復活を願う声

 悪童の復活を願う声が上がっている。イタリア代表FWマリオ・バロテッリはACミランに1年間の期限付き移籍で復帰を果たした。昨季は、リバプールでリーグ1得点の不振に陥り、ピッチ内外でも数々の問題行動を起こしてミランへと追放された。だが、イタリアサッカー協会のカルロ・タベッキオ会長は、バロテッリの蘇生を心から願っているという。イタリア地元テレビ局「スポーツメディアセット」が報じている。
 シチリア島のタオルミナで行われたイベントに出席したタベッキオ会長は「苦悩、自己犠牲というモノの意味を忘れてしまった若者だ。彼はあまりに早く全て を手にしてしまった。彼の才能によって、だ。自分自身の道を失い、もう一度見つけることができるかは彼次第だ。今ミランの助力とともに、チームに復帰した」と語った。
 2012年欧州選手権では、サンプドリアFWアントニオ・カッサーノと悪童コンビを結成し、イタリアを決勝戦まで導いた。インテル、マンチェスター・シティ、ACミラン、リバプールと強豪でプレーを続けているが、そのポテンシャル通りのパフォーマンスは披露できずにいる。
 リバプールでは「怠惰な選手」という烙印(らくいん)を押された。タベッキオ会長は「もしもロッソネリ(イタリア語で赤黒でミランの愛称)がバロテッリを再生できるのなら、彼はイタリアサッカー界全ての人間にとっての財産となるだろう」と語っ た。
 近年、凋落(ちょうらく)続きだったカルチョの世界だが、昨季ユベントスがUEFAチャンピオンズリーグ決勝に進出。バルセロナに敗れて優勝を逃したが、久しぶりに明るい話題となった。
 今季はミランとインテルのミラノの両名門が大型補強に打って出るなど、逆襲の機運は高まっている。圧倒的なポテンシャルの持ち主であるバロテッリは、今やトラブルメーカーと成り下がったが、会長はミランで復活し、イタリア代表復権の旗頭となることを心から期待していた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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