バルサ、スペインスーパー杯で世紀の逆転ならず 6冠の野望潰えた指揮官「レッドカードで終わった」
スペインスーパー杯ビルバオ戦でメッシ弾で先制もピケ退場 4点差逆転できず
昨季主要タイトル三冠を達成していたバルセロナが、今季2度目のタイトルとなるスペイン・スーパーカップを懸け、国王杯準優勝のアスレティック・ビルバオとホーム、カンプ・ノウで対戦した。
アウェーでの第1戦を0-4と大敗していたバルサは、この第2戦ではまず追い付くために大量得点が必要な状況だった。第1戦からメンバーを入れ替え、GKブラーボやDFピケ、MFイニエスタが先発。おたふく風邪で離脱中となっているFWネイマールを欠く前線はメッシ、スアレス、ペドロという3トップが並んだ。
バルセロナは前半41分、右サイドから上げたラキティッチのクロスを中央で待っていたスアレスが胸で落とし、ゴール正面に走り込んだメッシへ。背番号10はこれを落ち着いて蹴りこみ2戦合計で3点差に迫った。
しかし、後半11分に主審の判定に抗議したピケにレッドカードが提示されてしまった。 3点ビハインドで、残り30分以上数的不利を余儀なくされると、さすがの王者も為す術がなかった。後半29分には第1戦でハットトリックを決めていたビルバオFWアドゥリスに決められ、再びその差を広げられると万事休す。試合はそのまま終了した。すでにUEFAスーパー杯でセビージャを撃破し、初タイトルを獲得していた。スペインスーパー杯、FIFAクラブワールドカップ、国王杯、リーガ、欧州チャンピオンズリーグという今季全タイトルに当たる6 冠を目指していたバルサの夢は散った。
2戦トータル5-1の圧勝でビルバオがリーガと国王杯の二冠を達成した1984年以来となる悲願のタイトルを獲得した。
バルセロナのルイス・エンリケ監督は試合後のインタビューで「彼らが勝利に値した。我々もよくやったが、レッドカードの時点で勝負は終わっていた」と、ピケの退場が試合の命運を分けたと振り返った。
「勝つことも負けることも知っておくことが必要だ。負けることによって、勝利することがいかに難しく、素晴らしいことかを認識するいい機会になる」
想定外の完敗を糧にすることを誓った指揮官。六冠こそ逃したが、年末に日本で開催されるクラブ・ワールドカップでは5つ目のタイトル獲得を目指す。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images