FIFA会長選出馬のマラドーナの潔白宣言 「だいたい12年ぐらいドラッグはやっていない」
「子供と孫のためにクリーンな人生を送ると決めた」
アルゼンチンの伝説的英雄で、FIFA会長選出馬の意思を表明しているディエゴ・マラドーナ氏が自身のフェイスブック上で「この12年間、ドラッグをやっていない」と“潔白”を主張した。
卓越したボールテクニックとドリブルを武器に1986年メキシコワールドカップも制したマラドーナ氏と薬物は、常に隣り合わせのものとして物議を醸してきた。1991年には当時所属していたナポリでの試合後のドーピング検査でコカインが検出され、イタリアサッカー協会から15か月間の出場停止処分を受けた。そして、同年には母国アルゼンチンで逮捕されてもいる。代表に復帰して臨んだ94年のアメリカワールドカップでも、大会期間中に禁止薬物が検出され、世界中に大きな波紋を広げながら、大会から追放された。
他にも相手選手の飲み物への睡眠薬混入疑惑など、ピッチ外を様々な形で騒がせてきた点天才だが、2003年が一つの分岐点になったと語っている。
「だいたい12年間ぐらい、ドラッグはやってないんだ。なぜなら、自分の起こしてきた間違いから距離を置きたかった」
今から12年前、42歳当時に更生への道を歩み始めたとマラドーナ氏は主張する。そして、その理由は人間味にあふれるものだった。
「子供たちと、そして孫たちのためにクリーンな人生を送ると決めたんだ。そして、未来のためにもね」
小さなマラドーナたちの存在が、ドラッグを断つ大きな助けになったという。そして、動画でのメッセージはこんな言葉で締めくくられている。
「覚えているだろう? ディエゴはウソをついたことなんかないってことを」
現在、汚職問題に揺れているFIFAの会長選挙への出馬を表明しているマラドーナ氏。全世界に向けてアピールした潔白さは「FIFA内部にいるマフィアどもを一掃してやるんだ」と意気込んでいる自身の選挙活動に、追い風を吹かせることができるのだろうか。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images