不気味な沈黙を守るレアルが獲得を目指すワールドクラスのストライカーとは
スペイン紙特集 アグエロ、レバンドフスキら5人が候補
レアル・マドリードは今季の移籍市場で不気味なまでの静寂さを湛えている。マンチェスター・ユナイテッドのスペイン代表GKダビド・デ・ヘアの獲得交渉は進展を見せず、ポルトからDFダニーロを獲得した以外に目立った補強はない。ラファエル・ベニテス監督の新体制となった”白い巨人”が移籍市場閉幕までにワールドクラスのストライカー獲得に動く可能性が浮上しているという。スペイン地元紙「アス」が、候補のストライカー5人を紹介している。
1人目はユベントスのスペイン代表FWフェルナンド・ジョレンテ。「ユニークで、チームにはいないタイプの背番号9」と紹介されている。身長195センチという長身に加え、足元の技術も高い。アーセナル移籍の可能性がささやかれているフランス代表FWカリム・ベンゼマのように様々な場面に顔を出し、チャンスメイクも行うタイプでは決してないが、攻撃に高さというバリエーションをもたらす存在として期待される。
2人目は同じくユベントスのスペイン代表FWアルバロ・モラタ。レアルの下部組織出身で昨季はチャンピオンズリーグ(CL)の準決勝ではホームアンドアウェー両方の試合でゴール。古巣であるレアルに引導を渡した。昨夏にユベントスへ2200万ユーロ(訳30億円)で売却したが、現在は3000万ユーロ(約41億円)で買い戻しできるオプションを保有している。
3人目はマンチェスター・シティのアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロ。昨季はプレミアリーグで26得点を挙げて得点王に輝いた。圧倒的な個人能力を備え、独力で試合を決められる稀有な存在だ。ガラクティコ(銀河系軍団)へ向けた最後のピースとしても、獲得が期待されているようだ。フロレンティーノ・ペレス会長はアグエルがアトレチコ・マドリードに所属していた当時にも獲得を望んでいたが、獲得には7000万ユーロ(約97億円)の移籍金という高いハードルが存在する。
4人目はフランス王者パリ・サンジェルマン(PSG)のウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニ。ズラタン・イブラヒモビッチという絶対的な王様の存在の影響でサイドでのプレーを強いられることが多い。現状に不満を持ち、移籍を希望していると再三報じられている長髪のストライカーだが、ペレス会長としてはカバーニ供出の条件として、PSGがクリスティアーノ・ロナウドをトレードに要求する可能性を恐れており、実現の可能性は低いと予想されている。
最後の一人は、バイエルン・ミュンヘンのポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ。「(2013年の)CLの準決勝、サンティアゴ・ベルナベウでの4得点を忘れたものはいない」と、紹介されているように、レアルは大舞台でその実力をまざまざと見せつけられた。ファンもその勇姿を白いユニホーム姿を望むファンも少なく無いだろう。しかし、バイエルンとは2019年までの契約を結んでいることから、「ほぼ不可能なミッション」とも伝えられている。
現在レアルで頼れるセンターフォワードはフランス代表ベンゼマ。そして、スペイン人FWヘセのみ。プレシーズンではギャレス・ベイルをこのポジションで起用する試合もあった。チャンスメークで色を見せたが、今ひとつゴールという結果を残すことはできなかった。移籍マーケットも残り2週間。新たなスーパースターがマドリードにやってくることはあるのだろうか。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images