「FIFAに残ったマフィアと戦う!」 会長選出馬のマラドーナが決意表明
腐敗を極めた組織の徹底浄化を誓う
元アルゼンチン代表のレジェンドで、ピッチ外のお騒がせ男としても有名なディエゴ・マラドーナ氏が、来年2月に行われるFIFA会長選への出馬をあらためて宣言し、「FIFAに残ったマフィアと戦う」と決意表明している。複数のイタリアメディアが報じている。
FIFAのゼップ・ブラッター会長は、W杯招致を巡る贈収賄問題で高官が次々にFBIに逮捕され、自身にも捜査の手が伸びたことから辞任を発表した。来年2月6日にスイス・チューリヒでFIFA会長選が行われるが、UEFAのミシェル・プラティニ会長ら、すでに立候補者が出そろう中、マラドーナ氏はあらためて参戦の 決意を固めている。
「FIFAに残っているマフィアと戦わなければいけない。あまりにも多くの間、多くのものを盗まれた人たちがいるんだ。その泥棒たちと戦いたいと思っている。FIFAの内部から、掃除をしてやりたいと思っているんだ。そう、会長に立候補するだろう。協力してくれる選手たちが世界中にたくさんいる。この白い手で、泥棒たちと戦いたいんだ」
選手時代は卓越したボールコントロールで世界中の人々を魅了した。1986年ワールドカップメキシコ大会準々決勝のイングランド戦で見せた「伝説の5人抜き」と「神の手」は今でも語り草だ。
一方で、薬物使用による出場停止や相手への睡眠薬混入疑惑、乱闘騒ぎ、過激な発言などピッチ外でも数々の物議を醸してきた。
会長 選に立候補する準備を進めているというプラティニ氏やジーコ氏はくしくも1980年代に世界最高のMFの座を懸けて争った相手たちだ。長らくブラッター会長と蜜月状態だったプラティニ氏らには腐敗を極めたFIFAを浄化できないという声も欧州メディアから出ている。
マラドーナ氏は劇薬としてフットボール界の頂点の清浄化を進めることができるかもしれない。現役時代は唯一無二の天才として絶対的な評価を手にした。今度はピッチの外でかつてのピッチで上回ってきた相手と「世界のトップ」を懸けて争うことになるかもしれない。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images