ミラン名門復権に向けた最後の3ピースとは

イブラヒモビッチとMFとセンターバック 補強完了後は非情なリストラ敢行へ

 今夏の移籍市場で前線への大量投資を行ったミランだが、残り1ヵ月となった移籍期間における補強ポイントが「あと3つ」とイタリア国内で報じられている。
 1つはセンターバック。これはクラブ間交渉を進めているローマDFアレッシオ・ロマニョーリ獲得さえ成功すれば問題がないとされている。2つ目が中盤の補強であり、ゼニトのベルギー代表MFアクセル・ヴィツェルと、サンプドリアのMFロベルト・ソリアーノがターゲットになっているという。
 イタリア紙「コリエレ・デロ・スポルト」が特集した記事では、4-3-1-2システムにおける中盤のクオリティは満足の行くものでないとして、MFの補強が必要だとしている。その中で、以前から獲得候補に挙がっていたヴィツェルに対するアプローチを強めるだろうとしている。一方で、ヴィツェルとの交渉が難航することが予想され、ソリアーノが代替候補として浮上しているという。
 最後の1つは、「ベルルスコーニ会長の悲願」である、パリ・サンジェルマンのスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチの帰還だ。イタリア紙「トゥット・スポルト」は、年俸据え置きで2018年までの契約延長が目前だとしているが、アルゼンチン代表MFアンヘル・ディ・マリアの獲得決定が大きなブレーキとなり、ミランによるイブラ獲得を「アンロック」するかもしれないと報じられている。「獲得が実現する場合に移籍金として予想されている500万から600万ユーロ(約7億円前後)は、ガリアーニCEOが別の皿に乗せてある」という表現で、特別予算をイブラに用意したミラン側の執念を現した。
 一方で、3つの獲得ポイントに加えてラスト1ヵ月でミラン上層部が行うべき大きな仕事は、リーグ規定の25人枠を見据えた人数の整理に他ならない。補強の成功と同時に放出ラッシュが不可欠となる。ミラノで吹き荒れそうな大リストラの嵐の中、日本代表FW本田圭佑を含めてミランでレギュラーポジションの当落線上の選手たちにとっては、落ち着かない1ヵ月になりそうだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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