一時代の終焉を迎えたスペイン 開幕直前の解任劇に会長嘆き節「スポーツ的決断ではない」

W杯開幕2日前に解任となったロペテギ前監督に代わりイエロ監督が電撃就任したが、チームの完成度は高まらなかった【写真:Getty Images】
W杯開幕2日前に解任となったロペテギ前監督に代わりイエロ監督が電撃就任したが、チームの完成度は高まらなかった【写真:Getty Images】

ロシアにPK戦の末に惜敗、ロペテギ電撃解任が尾を引く

 スペイン代表はロシア・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦で、ロシアにPK戦の末に敗れて大会を去った。開幕2日前に、フレン・ロペテギ前監督を解任するドタバタ劇もあり、スペインサッカー連盟のルイス・マヌエル・ルビアレス会長は「スポーツ的な決断ではなかった」と嘆いた。スペイン紙「マルカ」が報じた。

 ロシア戦では、パスを1100本以上通しながらも、ゴールへ向かう迫力がなく、オウンゴールの1点に終わった。相手の堅守をこじ開けられず、モスクワで2大会ぶりの優勝は夢と散った。ルビアレス会長は、「これはサッカーだ、私も文句を言いたいところだが、もしそれをやってしまうと様々な人が不平を言うことになってしまうだろう」と言いつつも、やはり触れざるを得なかったのは今回の監督人事についてだった。

「私は決断を後悔しなかったし、決して難しい1日というわけではない。もちろん前を向いて進んでいく必要がある。責任と価値観を持ってね。ただ、その決断はスポーツ的な決断ではなかった。すでに話しているとおりだ」

 そう口にした同会長が、問題視しているのは、ロペテギ前監督の解任までのプロセスだ。開幕前にレアル・マドリードとの来季からの正式契約が発表された事態を重く見て、開幕2日前に解任を決定。フェルナンド・イエロ監督が電撃就任し、パスサッカーは貫いたもののチームの完成度は高まらなかった。

 過渡期を迎えたラ・ロハ(代表チームの愛称。スペイン語で赤)は、果たしてどこへ向かうのか――。試合後にMFアンドレス・イニエスタが代表引退を表明するなど、スペインが築いた一時代の終わりを感じさせた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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