不人気ミラン、宿敵インテルらの横やりで大型補強全滅の危機

合意報道の移籍が次々と破談へ

 ACミランの今夏の補強が大失敗に終わる可能性が急浮上した。ポルトのコロンビア代表FWジャクソン・マルティネスの獲得でクラブ間合意に至っていたが、メディカルチェックの遅れからアトレチコ・マドリードが強奪に動きだしたと、地元各紙が報じている。
 2年連続で欧州のカップ戦出場権を逃したミランは、ポルトガルリーグ3年連続得点王を手中に収めたはずだった。設定された3500万ユーロの移籍金の支払いでクラブ間合意にすでに達していたが、風雲急を告げた。
 ポルトガル地元紙「オ・ジョゴ」とスペイン地元紙「AS」はアトレチコが強奪オファーを出したと報じている。クロアチア代表FWマリオ・マンジュキッチをユベントスに放出した強豪は、前線の補強が急務となっている。ミランはチリで南米選手権を戦うコロンビア代表の合宿中に、クラブの医師団を派遣。メディカルチェックを行う予定だが、コロンビア代表が許可を下ろさないために保留の状態となっている。アトレチコはこの間隙を突いたもようだ。そして、マルティネス自身もここにきてアーセナル移籍を熱望するような発言を残している。
 さらには中盤の核として獲得濃厚とされてきたモナコのフランス代表MFジョフレイ・コンドグビアが土壇場でインテルにさらわれる可能性が高まっている。衛星放送「スカイ・イタリア」とイタリア各紙はインテルがコンドグビアに3500万ユーロの移籍金を支払うことで合意、22日には5年契約にサインし、メディカルチェックを行うと報じている。
 すでにパリ・サンジェルマンのスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチ獲得は暗礁に乗り上げているミランはすでにレアル・マドリードを解任されたカルロ・アンチェロッティ監督の招聘(しょうへい)に失敗。今季サンプドリアを率いたシニシャ・ミハイロビッチ新監督に急きょ乗り換える一幕もあった。これで補強に失敗すれば、シルビオ・ベルルスコーニ会長とアドリアーノ・ガリアーニCEOへのサポーターの不満の声は一層高まることになる。
 凋落(ちょうらく)の名門は一朝一夕にかつての威容を取り戻すことは簡単ではなさそうだ。

【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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