神戸FW武藤嘉紀が優勝を逃した要因に言及

　昨シーズン、J1リーグと天皇杯の2冠を達成していたヴィッセル神戸。リーグ戦3連覇を逃したなか、迎えた11月22日の天皇杯決勝FC町田ゼルビア戦は3シーズン連続でのタイトル獲得のかかった大一番だったが、1-3で敗れて3シーズンぶりに無冠でシーズンを終えることとなった。

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　この試合、神戸は前半6分に先制点を許すと、その後もミスが目立ち、ここ数年タイトルを取ってきたクラブの勝負強さが見られなかった。その要因にFW武藤嘉紀は早すぎた失点を挙げた。「最初の失点ですね。立ち上がりの失点のタイミングが悪すぎた。一番『行こう！』という時のタイミングで失点してしまった。それが一番の今日の負けた要因だと思います。その後、2点目ももう一回、自分たちで取りに行こうというタイミングで失点してしまった。そう（2点差に）なると相手はもう上がってこないんで。あれだけ戦える選手がそろっていると、それをこじ開けるのは、相当難しかったんじゃないかと思います」と、90分を振り返った。

　スタンドからも神戸の全体的な動きに鈍さがあったことが感じられたが、武藤も「（神戸）らしくなかったですね。特に立ち上がりの30分っていうのは、相手に全部前向きでいかれていましたし、僕ららしさより相手の出だしが良くて、いつもだったらそこで耐えられるけど、ポポンと入れられてしまったのは、これだけ大舞台になるとその流れを引き寄せるとか、変えるのが、なかなか難しいのがあったと思います」と唇をかんだ。

　武藤自身は試合の入りが良くなかったことを感じ取り、チームに奮起するように伝えたものの力不足だったと肩を落とす。「入りの部分で少しフワっとした感じがあって、自分ももう一回『決勝なんだぞ』とというのは厳しく伝えていたんですが、その緩さというか…。みんな緩いというより、いつもと違う雰囲気で難しさもあったと思うんですが、そこをもう少し僕ら経験のある選手がもっと強く引き締めないといけなかったなと反省しています」と、準優勝に終わった要因を自身に向けた。

　試合中の負傷で左手を大きく腫らせたまま、取材にも応じていた武藤は、「（ここ数年のタイトル獲得は）みんなで頑張って来た結果だと思いますし、ずっとタイトルを取れなかったチームで近年タイトルも取れてきて、どれだけ難しいかをあらためて感じました」と、無冠に終わったことを振り返り、「だからこそもう一度、来年以降、またタイトルを取れるヴィッセル神戸というのを示したいですし、そのためにももう一度メラメラしたものをみんなで出していかないといけない。僕自身も、負傷でかなり不本意なシーズンになってしまった。僕が活躍しないといけないという自負もあるなかで、本当にチームには迷惑をかけてしまった。来年また爆発して、チームにタイトルをもたらせるように、もう一度しっかりと足下を見つめてしっかりやっていきたいなと思っています」と、来シーズン以降のリベンジを誓った。