「10回戦って3回勝てるか」 大津監督、インハイ王者・前橋育英撃破に感慨…好敵手に気遣い「本来の力が…」

山城朋大監督【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
山城朋大監督【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

PK戦で勝利した大津、山城朋大監督が前橋育英に言及「体力的にきつかったと思う」

 第101回全国高校サッカー選手権大会は1月4日、浦和駒場スタジアムと等々力陸上競技場で準々決勝4試合が行われ、前回大会準優勝の大津(熊本)と昨夏の全国高校総体(インターハイ)王者の前橋育英(群馬)の東西プレミアリーグ勢の決戦は、大津が0-0からのペナルティーキック(PK)戦を5-4で制した。大津は2日間の休養日を挟み、1月7日に東京・国立競技場で行われる準決勝で東山(京都)と対戦する一方、前橋育英は前年度の青森山田(青森)に続くインターハイとの2冠はならなかった。

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 両チームは前回大会も準々決勝で激突し、大津がシュート数で4本対9本と劣りながら、前半11分に挙げた1点を守り切ってベスト4に駆け上がった。1年後の今回も7本対10本とシュート数では少なかった大津が、自陣ゴール前で身体を張った粘り強く忠実な守備を貫いて前橋育英に得点を許さず、初戦の2回戦に続いてPK戦をものにした。

 山城朋大監督は「(優勝候補の)昌平などと戦い、体力的にきつかったと思う。前橋育英は本来の力が出ていなかったのかな」と、これが3試合目の大津に対し、4試合目の好敵手を気遣った。

 大津の前後半3本のビッグチャンスは、すべてFW山下基成のシュートだった。まず前半17分、左サイドMF香山太良の鋭いクロスを右足で合わせたが、50センチほど左に外れて絶好の先制機を逃した。

 後半14分、前橋育英のFW山本颯太に危うい一撃を浴びたが、DFが身体を寄せて事なきを得た。守備陣の奮闘に報いようと、同19分に山下が右から強烈なシュートを打ったが、これもまたわずかに左へ流れていった。同28分にはMF岩崎大翔の右クロスをヘディングシュートしたが、GKの好守にまたもや得点できなかった。

 ゴールが取れなければ、マイボールを大切に扱いゴールを守ることに専心。186センチの大型センターバック碇明日麻は「相手は狭い地域にも入り込んでくるので、ディフェンス同士の間を空けないように気をつけました。あとはシュートブロックですね、とにかくボールを持った相手に素早く身体を寄せることを心掛けた」と出足の一歩で数秒でも先んじることを肝に銘じたという。

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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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