W杯一色に染まっていくカタールの街の姿 地下鉄でスタジアムを結ぶ…ファインダー越しに写る“戦地”の色とは?
【カメラマンの目】2019年に開通した地下鉄、観戦者たちの重要な移動手段に
サッカーは選手、スタッフ、レフェリー、記者・解説者、フォトグラファーなど、それぞれの立場から見える世界がある。22歳の時からブラジルサッカーを取材し、日本国内、海外で撮影を続ける日本人フォトグラファーの徳原隆元氏が、11月20日に開催が迫ったカタール・ワールドカップ(W杯)に向けて現地を訪れ、W杯に染まっていく街の風景を独自の視点からお届けする。
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2019年の夏に開通したカタールの地下鉄は赤、緑、ゴールドの3路線37の駅で構成され、W杯の試合が行われるスタジアムとも結ばれている。開通して間もないということもあり地下鉄構内、電車とも綺麗で、駅には多くの係員が立ち利用客をサポートしていた。
実際に利用してみると日中はそれほどの混雑はなかったが、夕方にはかなりのラッシュとなり、3路線が行き交うハブ駅となる「Msheired」などは多くの人が構内を行き来していた。ただ、係員たちも人の流れが滞らないようにしっかりと誘導しており、駅の出入り口も決まっていて、指定された場所から出入りすることになる。W杯が始まれば多くの人の利用が予想され、午前3時まで電車は走り、各国の観戦者たちの重要な移動手段となることだろう。
そのゴールド路線の地下鉄「Joaan」駅の前を通る幹線道路の交差点に、W杯・カタール大会のマスコットであるライーブを中心に歴代の大会のシンボルとなった仲間たちが描かれた巨大な看板が建っている。一番の年長は1966年イングランド大会のウィリーで、2002年日韓大会で大役を務めたアトー、キック、キャズも先輩と後輩に肩を並べ笑顔を見せている。
街のいたるところで大会を盛り上げるためのバナーが翻り、バス停もW杯を仕様となっている。国の威信を賭けたサッカー最大のイベントの火ぶたは20日に切って落とされる。
FOOTBALL ZONE特派・徳原隆元 / Takamoto Tokuhara
とくはら・たかもと/1970年東京生まれ。22歳の時からブラジルサッカーを取材。現在も日本国内、海外で“サッカーのある場面”を撮影している。好きな選手はミッシェル・プラティニとパウロ・ロベルト・ファルカン。1980年代の単純にサッカーの上手い選手が当たり前のようにピッチで輝けた時代のサッカーが今も好き。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。