「JFAに忖度し地元の声を無視」 浦和サポーター、ゴール裏に抗議の横断幕 ACL決勝で埼スタ“使用不可”に異議

浦和サポーターの掲げた横断幕が話題に【写真:Getty Images】
浦和サポーターの掲げた横断幕が話題に【写真:Getty Images】

改修工事により来年2月のACL決勝で埼玉スタジアム使用不可

 J1浦和レッズは9月25日のルヴァン杯準決勝第2戦でセレッソ大阪に0-4で敗れて敗退した。試合後の埼玉スタジアムでは敗戦したチームへのブーイングもあったが、それ以上にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝で“ホーム”の埼スタが使用できない可能性が浮上していることについて、埼玉県などに抗議する横断幕で埋め尽くされた。

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 浦和は前半からC大阪のプレッシングに後手を踏んで苦しい戦況となり、初戦のアウェーを1-1で引き分けたことによるアウェーゴールのアドバンテージも生かせずに前半だけで0-2と逆転を許した。後半には3点が必要な状況でリスクを背負ったものの、裏目に出て2点を追加されて敗れた。

 試合後のスタジアムでは、浦和の選手たちがサポーターの陣取るゴール裏へあいさつに来た際にブーイングが起こった。しかし、彼らがピッチから出てロッカールームへ引き上げると、ゴール裏スタンドは横断幕で埋め尽くされた。

 その内容は、埼玉スタジアムの改修工事により来年2月のACL決勝で使用できない見込みになっていることへの抗議だった。当初は2022年春から工事が行われる予定だったが、日本代表のワールドカップ(W杯)アジア最終予選を埼スタで開催したいという日本サッカー協会の要望や、それを後押しした県議会議員の存在もあり、2021年11月に工事の1年延期が決定されていた。

 その時点では2022年のACL決勝は11月に開催予定だったために問題がない見込みだったが、今年に入って来季からの秋春制導入と、それに伴い決勝の来年2月への延期が決定。延期された工事のタイミングと重ねることになり、浦和は工事の再延期を要望しているものの現時点では「県として『すでに施工準備が進んでいることから、延長はできない』との公式回答がございました」と経過を報告している。

 そのため、浦和サポーターからはこの件について「俺達の愛する埼スタでアジアを獲りたい」、「俺達のHOMEに代替などない。この地でアジア奪還を」というようなストレートな埼スタ開催を望む横断幕も出されたが、全体的に多かったのは日本サッカー協会(JFA)や埼玉県に対する抗議の声だった。

「JFAの願掛けには応じて地元は蔑ろ?」「浦和の30年、県は何を見てきた?」「地元クラブのACL制覇<協会への忖度」「これだけの県民の声を無視する街?」「JFAに忖度し地元の声を無視した結果失うものは何?」

 また、現在は浦和の求める工事の再延期を認めるように署名活動が行われていることもあり「大野知事、署名をお待ちしております」というフレーズもあった。今季の決勝トーナメント勝ち抜いた試合でも見せたように、ACLにおいて埼スタのホームゲームでの浦和は強さに拍車がかかるのは歴史的にも証明されてきた。改めて浦和サポーターから意思表示のあったこの問題は、2月の決勝までにどのような展開を見せることになるだろうか。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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