連敗スタートもリオ本番に向けて光明を見出す手倉森監督 「インテリジェンスを示した」

手倉森監督が感じたインテリジェンスとは?

「ポルトガルは最初、3トップと2インサイドハーフで攻撃に人数をかけていく特徴があった。その相手の重心を考えたときに“大きい展開(ロングボール)でもいい”と。その割り切ってセカンドボール狙いの中からでも形があった。そして(時間がたつごとに)相手の守備体系を見切って、下(グラウンダーのパス回し)で速く勝負しに行った。攻撃スタイルの変え方、そこがちょっと上手くなってきたかなというね」

 風上だった前半こそなかなか形を作れなかったものの、後半に入ると最終ラインのシンプルなロングボールに対して浅野が反応したかと思えば、中央と左サイドでのコンビネーションによってクロスが持ち味の左サイドバック三丸拡(鳥栖)が高い位置を取れる状況も生まれていた。指揮官はそこに大きな手応えを感じている。

「(大島)僚太のゲームメイクだったり、矢島(慎也)、南野(拓実)辺りが広げてから下で勝負しに行っているところが、彼らの戦術眼にレベルが上がってきたなと見ていた。後半は風を使えばワンサイドになるんじゃないかと見ていたら、こっちが決めていればという展開に持ち込めた。結果はついてきていない中でも、自信を持ち始めているなというのを感じましたね」

 もちろん最終的にゴールを挙げられなかったのも事実で、手倉森監督も「世界での戦いに対して伸ばさなければいけない部分だね。そう一日だけで伸びるわけじゃない」と本番まで試行錯誤が続くことを予想している。「発展途上」と指揮官が表現するチームは、敗戦の中からも本番に向けて光明を見出していけるか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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