森保監督、3バック採用に滲む意図と決意 「選手起用を工夫することが私のチャレンジ」
新たな選手の組み合わせやシステムをテストすることでチームの底上げを図る
日本代表は現地時間13日、オーストリア・グラーツでパナマ代表と国際親善試合を行い、1-0で勝利。森保一監督は10月シリーズのコートジボワール戦から大きくメンバーを入れ替え、3バックを採用したことについて「選手起用を工夫することが私のチャレンジ」と話した。
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パナマ戦の最終ラインは主将のDF吉田麻也を中央に、右にDF植田直通、左にDF板倉滉が入った。また、前線にはシャドーにMF久保建英とMF三好康児が並び、FW南野拓実が1トップ起用だった。前半はそれほど攻撃の機能性が高まらなかったが、後半になって改善。南野が自ら獲得したPKを決勝点としての勝利になった。
これまでの歩みについて「基本的に4バックでやっている中で3バックにトライしている」と話した森保監督は、メンバーの起用について試合後の記者会見で持論を語った。「経験があって確実にレベルの高いプレーをしてくれる選手を起用していくことももちろん大切」だとしたうえで、監督としてのチャレンジがあると話す。
「合わないからこそ、選手にはプレーする機会を持ってもらって、全体を合わせるということ。チーム力をつけるためには経験の浅い選手に出場機会を与えて、強い相手と戦うなかで周りと合わせていく。経験のある選手と合わせていくことで選手が力をつけられると思うし、チームとしても底上げになると思う。合わないからダメではなく、できないことをできるようにするために練習をして、試合をすることを選手たちは前向きにやってくれている」
今回、新型コロナウイルスの影響もあり招集できなかったFW大迫勇也やMF堂安律といったこれまでに起用の多かった選手が不在だったこともあるが、新たな組み合わせやシステムを我慢してテストすることで、ピッチ上での課題克服をすることや若手の経験と成長にすることの重要性を話した。
「経験の浅い選手たちに、ピッチ上でトライしてもらう場を作るように選手起用を工夫することが私のチャレンジ」
主将の吉田もまた、試合後に「4バックなら最初から機能したという評価もあるかもしれないが、今はそこにトライして(チームの幅を)広げている最中なので悲観する必要はない」と話したように、実戦の場で時間と機会を得ることの重要性はチーム内で共有されている。
アジアサッカー連盟は先日、来年3月にワールドカップ(W杯)アジア2次予選が再開し、9月には最終予選がスタートするという新スケジュールを発表した。間違いの許されないゲームの前に、どれだけの経験を与えられるかという点で、このパナマ戦は森保監督にとっての重要なチャレンジになったようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)