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FIFA重役ベンゲル氏、W杯&UEFA主催大会の改革案が“波紋” 「争いを巻き起こす」
FIFAの重役につくベンゲル氏がインタビューで主要な国際大会について言及
長年イングランド・プレミアリーグのアーセナルで監督を務め、Jリーグの名古屋グランパスでも監督経験のあることで知られるアーセン・ベンゲル氏は、昨年から国際サッカー連盟(FIFA)のグローバル・デベロップ部門で要職に就いている。そして、ドイツ紙「キッカー」のインタビューに様々な改革案を述べたが、イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」は、欧州サッカー連盟(UEFA)との「争いを巻き起こす」とレポートしている。
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ベンゲル氏がターゲットにしたのは、昨年からスタートしているUEFAネーションズリーグだった。欧州の各国が実績や近年の成績でカテゴリー分けされて、リーグ戦を行った後に、優勝を決めるもの。カテゴリー間での昇格や降格があるのは特徴の1つだ。
しかしベンゲル氏は「街を歩く人々にネーションズリーグのルールを聞いて、知っている人などいない。これは廃止しなければならない」と舌鋒鋭く批判。そして「明確な数少ない大会に絞る必要がある。ワールドカップ(W杯)と欧州選手権(EURO)をどちらも2年に1回開催し、全ての予選は1カ月で終わらせる」と、キッカー紙に改革案を話した。
一方でカルチョメルカート・コムによると、「ベンゲル氏は中断することなくアイディアを生みだしてきている。これまでキックインの導入やフリーキックで1つ目のパスは相手が触ってはいけないなど、疑わしいルールの改革ばかりだった」と、ベンゲル氏の出すアイディアは常に懐疑的なものだと批判する。その上で、この方針は「FIFAの意図も汲んでいるもの」として、再びFIFAとUEFAの主導権争いに発展するという未来を見通した。
そして、「結局のところ、毎年チャンピオンズリーグ(CL)の試合を見てくださいというものがあるので、政治的な理由をカギにすれば、W杯とEUROを2年に1回とするのは理に適っている。UEFAの長所を制限して、FIFAのアピールを2倍にできるからだ。そして、これは彼の個人的なアイディアというだけでなく、FIFAという後ろ盾がある以上、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長と、UEFAのアレクサンダル・チェフェリン会長の争いを巻き起こす」と、サッカー界で繰り返されてきた争いが再び起こると予見した。
2026年からW杯は48チームに拡大され、1994年のアメリカ大会では24チームだった出場枠は約30年で2倍になった。EUROも出場チーム数が1992年大会は8チームだったものが、2016年大会では24チームにまで増えた。拡大の一途をたどる大会が2年に1回も開催されることは、クラブチームの戦いにも影響を与えるだろう。そのターゲットが欧州で言えばCLなのは明白だということでもある。
果たして、FIFAをバックにしたベンゲル氏の改革案はどのような議論を巻き起こすことになるのか。常にサッカー界の主導権争いをしてきたFIFAとUEFAの対立構造が再び表面化する可能性も浮上している。
(FOOTBALL ZONE編集部)