ミランOBのボバン氏が新指揮官にチクリ 「選手たちは恐怖し、戸惑っていた」

「最初の困難に出会うと個性が消える」

 ACミランの栄光の「10番」を背負った元クロアチア代表MFズボニミール・ボバン氏は、4日の本拠地ナポリ戦で0-4と大敗後、鬼軍曹と呼ばれるシニシャ・ミハイロビッチ監督に対する恐怖が選手のプレーに影響を与えていると分析した。地元テレビ局「スカイ・イタリア」で語った。

 ミランでセリエA優勝4回、UEFAチャンピオンズリーグ制覇1度など、黄金期を支えた司令塔は古巣の長きにわたる不振を常々案じている。そして、この日の大敗は、OBにとっても心痛の極みだという。

「大きな打撃だ。ジェノア戦ではある一定の時間、ミランはいい試合をしていたと思う。だが、このチームは最初の困難に出会うと、個性が消えてしまう」

 試合序盤優勢 に試合を進めながらもリードされた直後、チーム全体が萎縮するように見えるとボバン氏は指摘する。この傾向には選手を扱き、レベルアップさせる鬼軍曹とも称される新監督の方針も影響しているという。

「コントロールと秩序がチームに必要だ。シニシャは続けなければならない。多分選手を慰めいたわることも必要かもしれない。今夜は選手たちは恐怖し、戸惑っていた」

 昨季指導したフィリッポ・インザーギ前監督は選手を擁護し続けたが、その反面、選手は甘やかされてロッカールームでは不満分子も出た。日本代表MF本田圭佑がナポリ戦の前に3日間発熱で離脱した際には「どんなダメなサムライだ」と皮肉を飛ばすなど、容赦ない言動で選手の鼓舞を促してきた。ただし、ボバン氏は、ミハイロビッチスタイルによる選手の疲弊を心配している。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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