名門ミランの株式売却に暗雲 タイ人投資家によるまさかのドタキャンの可能性が急浮上

成績低迷を理由に撤退の可能性も

 ACミランの親会社であるフィニンベスト社は、タイの投資家ビー・タエチャボル氏に株式48パーセントを売却することで合意したことをすでに発表している。しかし、タイ人サイドが契約締結を5度も延期したことからドタキャン疑惑が浮上している。イタリア地元紙ガゼッタ・デロ・スポルトが報じている。
 ミランは6月に公式サイトで「ミスター・ビー」と呼ばれる実業家グループに対し、株式の48パーセントを売却することで合意に達したと発表。売却費は5億ユーロ(約700億円)と地元メディアで報じられており、ミランはこのアジア投資家からの資本注入を背に、今夏の移籍市場でコロンビア代表FWカルロス・バッカら120億円の大補強を展開していた。
 だが、合意に達したはずのディールに暗雲が立ち込めているという。
「ミランではミスター・ビーは買収日を延期した。BEEは考え直す気か? 明日に予定されていた契約終結をドタキャンした」
 記事ではこう報じている。当初の合意事項では1ヶ月前に完了するはずの契約が、30日に予定されていた5度目の交渉日をドタキャンされたという。
 ミランは今季大型補強を敢行し、シニシャ・ミハイロビッチ監督を招聘したが、リーグ戦を3勝3敗で11位に低迷。昨季の最終順位10位を下回る現状に、タイ人サイドが「躊躇して撤退する可能性もある」とも報じられている。
 ここ数年間、ミランは移籍金ゼロや格安移籍という訳あり物件をメインに補強してきた。日本代表FW本田圭佑の獲得も、現地メディアではプレー面だけでなく商業戦略的な付加価値を見込むものだと言われ続けている。そんな状況の中で今夏に大きな方針転換をした裏には、アジアからの資本投入が大きな要因となっている。タイ人によるよもやのドタキャン危機は、復活を目指すかつての名門のリバイバルプランにも大きな影響を与えるかもしれない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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