ブラジルはスイスと1-1の痛み分け コウチーニョの芸術ミドルで先制もCKから失点

ブラジルは先制するも、スイスと1-1の痛み分けとなった【写真:Getty Images】
ブラジルは先制するも、スイスと1-1の痛み分けとなった【写真:Getty Images】

負傷から復帰のネイマールも先発、最高の立ち上がりを見せたが…

 前回大会の雪辱に燃えるカナリア軍団は、幸先良く先制するもセットプレーからの失点で勝利を逃した。ロシア・ワールドカップ(W杯)のグループE初戦でスイス代表と激突したブラジル代表は、前半20分にMFフィリペ・コウチーニョが芸術ミドルを決めて先制したが、後半に同点ゴールを許して1-1のドロー発進となった。

 ブラジルは2月に右足を骨折したエースのFWネイマールが、長期のリハビリを経て復帰し、スイス戦にスタメン出場を果たした。すると最初に決定的なチャンスを作ったのは、前半10分のブラジルだった。立ち上がりから繰り返された左サイドでDFマルセロ、コウチーニョ、ネイマールが組み立て、逆サイドからゴール前に飛び込んできたMFパウリーニョが飛び込む形のシュートは、スイスGKヤン・ゾマーが指先でなんとかコースを変えて防いだ。

 ペースをつかんだブラジルは、それを先制ゴールにつなげた。同20分、左サイドのトライアングルから中央に入れたボールが跳ね返されると、そのクリアボールを拾ったコウチーニョが左45度の20メートル強の距離から右足を一閃。美しいカーブを描いたシュートがファーサイドのゴールポストに当たってゴール内に吸い込まれ、ブラジルが先制点を挙げた。

 その後、ブラジルは追加点こそ奪えなかったものの、スイスに攻撃の糸口を与えないほどにゲームを制圧。中盤のMFカゼミーロとパウリーニョはスイスの速攻の芽を摘み続け、そのまま1-0でハーフタイムを迎えた。

 後半に入ると、スイスがセットプレーから活路を見出した。後半5分、右コーナーキックのチャンスで速いボールがゴール前に飛ぶと、ゾーンディフェンスの隙間に入り込んだMFスティーブン・ツバーが打点の高いヘディングシュートをゴールに突き刺し、試合を振り出しに戻した。これでプランが狂ったブラジルは、再びギアを上げるようにして攻撃の圧力を強めた。

 ネイマールにこの試合最初のビッグチャンスが訪れたのは同13分、ペナルティーエリア内左サイドでマルセロからのショートパスを受けると、右足側に素早く切り替えしてシュートを狙った。しかし、警戒していたスイス守備陣が素早く寄せ、シュートはブロックされて枠外に飛んだ。同25分には、ネイマールのラストパスからコウチーニョがペナルティーエリア内でシュートを放ったが、ゴールの枠を捉えられなかった。

 後半も半ばを過ぎると、長期離脱の影響か本調子でない感が色濃いネイマールがボールロストする場面が増え、ブラジルは攻撃にリズムを生み出せなくなっていく。遠めからの強引なシュートではズマーの牙城を打ち破れず、閉塞感が漂った。それでもチッチ監督は3枚の交代枠でネイマールを下げることはせず、エースへの信頼を示した。

 しかし、カナリア軍団ブラジルはスイスから決勝ゴールを奪うことができず、1-1の引き分けに終わった。これにより、今大会の出場権を逃したオランダを除き、前日にアイスランドと引き分けたアルゼンチン、ブラジル戦前にメキシコに敗れたドイツと、前回大会のベスト4に残ったチームが全て初戦の勝利を逃すという波乱のスタートになっている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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