日本人選手の「市場価値」は下がったのか? 代理人が明かす欧州クラブ側の評価

田邊伸明氏に訊く欧州移籍の現状 加速する「ステップアップ型」の動き

 今季の欧州各国リーグも前半戦の戦いを終え、ウィンターブレイクに突入。1月には後半戦の巻き返しを期すクラブが積極的な動きを見せる、冬の移籍市場が幕を開ける。2017年夏に起きた、ブラジル代表FWネイマールのパリ・サンジェルマンへの史上最高額2億2200万ユーロ(約298億円)の移籍によって、“バブル”と化している欧州マーケットだが、そのなかで日本人選手はどのような評価を受けているのか。長年にわたってFIFA公認代理人として活躍し、国内外の移籍動向に熟知する田邊伸明氏に話を訊いた。

 現在、日本人選手で今冬の欧州進出が噂されているのは、ガンバ大阪MF井手口陽介とセレッソ大阪FW杉本健勇だ。井手口はイングランド2部リーズ・ユナイテッドとの獲得合意が報じられるも、労働許可証の問題でスペインにレンタル移籍となる可能性が囁かれており、杉本はMF柴崎岳が所属するスペインのヘタフェが獲得に関心を示しているとも伝えられている。

 一方、2010年南アフリカ・ワールドカップ以降、日本代表のベスト16進出をきっかけに欧州へ渡る日本人選手は一気に増え、ドルトムントMF香川真司らの活躍もあってビッグクラブに在籍するケースも珍しくなくなったが、近年は停滞傾向にあるのは否めない。

 イタリアの名門ACミランで10番を背負ったFW本田圭佑は今夏にメキシコのパチューカへ渡り、シャルケで一時代を築き日本人最多のUEFAチャンピオンズリーグ出場数を誇るDF内田篤人は、負傷に苦しみ、今夏ドイツ2部ウニオン・ベルリンに移籍。だが新天地でも思うように出場機会をつかめず、来季の鹿島アントラーズ復帰の可能性が高まっている。すでにセレッソ大阪のMF清武弘嗣、FW柿谷曜一朗、MF山口蛍など、日本代表クラスのJリーグ帰還が近年は増えているが、田邊氏は「欧州における日本人選手の市場価値が下がったとは、決して思いません」と語る。

 

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