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森保ジャパンは「世界のトップに近い」 トルシエ元監督が激白…成熟した24歳は「もはやベテラン」

トルシエ氏は10月、11月の日本代表戦を視察していた
2002年日韓ワールドカップで日本代表を率いたフィリップ・トルシエ氏が、FOOTBALL ZONEのインタビューに応じた。10月から11月まで来日し、森保一監督率いる日本代表の試合を視察。来年の北中米ワールドカップ(W杯)に向けて、日本の現在地を語った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部/全4回の1回目)
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◇ ◇ ◇
来年の北中米W杯のグループステージで日本代表は、オランダ、チュニジア、欧州プレーオフBの勝者(ウクライナ/スウェーデンvsポーランド/アルバニア)と対戦することが決まった。W杯優勝を目指すと公言する日本代表の現在地はどこにあるのか。
「日本代表にとっては、やっぱりガラスの天井はベスト8だと思います。ベスト8の壁を破るには、色々な心理状態の時に自分が絶対できると言い聞かせないといけない。それでも私が率いていた時代から20年以上経った中でひとつだけ強調するのであれば、勝者のメンタリティーがちゃんと植え付けられていると思う。この間のブラジル戦の展開を考えると、2点リードされている中での逆転ですから。ブラジルを相手に親善試合とはいえ、最後まで諦めない、自分たちを信じるメンタリティーが持てるようになったと思います」
10月14日に東京スタジアム(味の素スタジアム)で行われたブラジル戦をトルシエ氏も現地で視察。前半で0-2とリードを奪われながらも、後半に3得点を挙げて逆転した。試合後にはブラジルを率いる名将、カルロ・アンチェロッティ監督とも話をしたという指揮官の目には、どう映ったのだろうか。
「カタールW杯でスペインやドイツを破った偉業に比べたら公式戦の重みはないけども、やっぱりブラジルに勝てるという実績を作ることによって、選手たちはもちろん、ファンやメディア、日本サッカー全体が信じることになる。W杯という大舞台で決勝トーナメントを勝ち上がるには色んな要素が必要になってくる。今の日本は世界のトップ20には入っているし、トップに近い実力を持っている。ただコンスタントにW杯で活躍するには、世界のトップ10に入らないと厳しいと思います」
W杯まで約半年となった。2022年カタールW杯以降の第2次森保ジャパンは、2024年のアジアカップで準々決勝敗退という失敗はあったものの、三笘薫や堂安律といったコアメンバーを中心に着実に力をつけてきた。
「森保監督はおそらく北中米大会で戦うメンバーをほぼ知っていると思う。今回の10月、11月も怪我人が多かったが、本大会でも必ずアクシデントがある。Bチーム、Cチームを作ることを考え、いまは第2、第3の戦術を磨いていると思います。森保監督本人とも話をする機会もあったが、ほぼ準備はできている。それこそ試合途中で戦術の変更が必要になった時に、どのように対応するか試していると思います」
本大会で勝ち上がっていくには、グループステージのオランダをはじめ、世界の強豪国を倒していかなければいけない。森保ジャパンの生命線であるハイプレスは大きな武器となる一方で、新しい戦い方も必要になってくる。
「私が気付いたのは、速攻、カウンターのオプションが増えたなと思います。森保ジャパンのアイデンティティは、強い組織力とハイプレスだと思っています。それは変わっていないし、頼っている選手も変わっていないけども、新しいオプションが増えていると思います」
年内最後の代表活動となった11月の代表シリーズでは、ガーナに2-0、ボリビアには3-0で勝利した。この2試合で得点こそなかったが、攻撃を牽引していた久保建英のパフォーマンスに頼もしさを感じたという。
「彼は若いとは言え、もはや森保ジャパンのベテラン。最も頼れる選手だと思います。一番変わったのは、代表でもクラブでも規律の部分だと思う。ネガティブプレスの部分をしっかりやってくれている所が頼もしい。彼の持っているドリブル力や才能は変わらず、組織の中で無駄な動きがなくなったし、無謀なドリブルもなくなった。それは成熟というしかないですよね」
一方、日本代表の弱点も言及。欧州で戦う選手が増えて、デュエルでも負けなくなったとはいえ、フィジカル勝負は避けるべきだと指摘する。その上で、日本の強みは世界でも十分脅威になると力説する。
「冷静に日本代表の試合を分析すると、やっぱりまだフィジカル負けをしている。特に守備のセットプレーは空中戦で負けている。明らかに日本の弱点で物足りない。私は日本代表は未だに南米勢、アフリカ勢に1対1で戦うのは間違いだと思っている。劣等感を抱かないのは大事だが、デュエルを避けることが日本の本来の動きであって、ボールをしっかり保持した中で一瞬の隙で、スピーディーに高いクオリティーで攻撃を仕掛けるのが日本らしいと思う。ヨーロッパやアフリカ、南米が相手だとしても、今の日本からは特有の威圧感や脅威を感じていると思う。だけど、それは日本が自分たちの一番得意なサッカーをやった時にしか感じることはできない」
そんなトルシエ氏が、10月、11月の代表戦4試合を通じて「さすが」と唸った選手がいた。森保ジャパンで台頭してきた選手たちが持つ可能性についても言及した。(第2回に続く)




















