強豪校で1年生から主力「もっとやらないと」 監督も太鼓判…目指すべき日本代表MF「衝撃受けた」

浜松開誠館の1年生 MF石川塔梧
第104回全国高校サッカー選手権の都道府県予選も佳境に入り、各地では代表校が決まり始めている。ここでは全国各地で繰り広げられている激戦の主役たちのエピソード、プレーなどをより細かくお届けしていきたい。
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第9回は静岡県予選準々決勝・第2試合、今年のインターハイベスト16でプリンスリーグ東海3位の浜松開誠館と、プリンス東海9位の富士市立との一戦から。浜松開誠館のスタメンに唯一1年生で名を連ねたMF石川塔梧について。ボランチとして鋭く献身的な守備が光るルーキーが目指す姿とは―。
立ち上がりからボールがこぼれた先には必ず石川がいた。中央で的確な読みと高いボール奪取力を駆使して、中盤を広範囲でカバーする1年生ボランチは、セカンドボールの回収、鋭い出足のインターセプトを見せる一方で、富士市立のストロングのサイド攻撃に対しても味方のサイドハーフやサイドバックのフォローに素早く回って自由を許さなかった。71分に交代を告げられるまでピッチを駆け回った彼は、3-1の勝利に守備面で大きく貢献をした。
試合後、チームを率いる青嶋文明監督は彼について言及した時、「将来は佐野海舟選手のような選手になってほしいですね」と大きな期待を寄せた。その言葉に対し、1年生は少し笑顔をこぼしながらこう思いを口にした。
「正直、夏まではあまり意識をしていなかったのですが、夏休みの時に佐野選手についての話を青嶋監督などからたくさん聞いて、そこから映像を見るようになりました。実際にプレーを見ていて、本当に衝撃を受けたというか、佐野選手は奪えて、かつボールを運ぶことができる。守備面で見習うべきことが多いことはもちろんなのですが、それ以上に奪った後に前にどんどん運んで攻撃の起点となっていく部分は僕に足りない部分なので、『佐野選手のようになりたい』と強く思うようになりました。今は目指すべき選手だと思っています」
中学時代から守備をストロングポイントだと認識していた。サイズは170cmと大柄ではないが、対人能力の強さと危機察知能力を買われてCB、サイドバックをこなしていた。「この守備力をより磨きたかった」と、守備の強度が高く、かつ攻撃では個性を発揮できる浜松開誠館のサッカーに憧れたことで門を叩いた。
入学してから守備を磨く中で、青嶋監督から攻撃面で求められることが増えた。『奪ってからの先』をどうすればいいか悩みながらやっていた中で、佐野海舟という明確なプレーモデルを見つけたことで、彼の中で少しモヤが晴れたような感覚になった。
「スムーズに攻撃につなげるためには佐野選手のように『奪い切る力』が必要になってくる。そうなるとより奪い方のバリエーションや質を上げていかないといけないので、より守備に対する意欲や意識が変わりました」
この意識変化が急成長を生み出したことで、青嶋監督は夏休み明けのプリンスリーグ東海後期開幕からボランチとしてスタメンに抜擢。初めての選手権予選でも堂々とスタメンに名を連ね、守備力と磨いている守備から攻撃の切り替えからの運び出しをピッチで表現している。
「1年生で出させてもらっている以上、もっとやらないといけないと思っています。具体的には予測という部分をより早くして、いち早くボールにアタックに行く。球際も足先で行くのではなく、身体をしっかりと当てて、手や足でブロックしながらマイボールにすることを意識しています」
自分が出ているということは、出られない上級生がいるということ。自分がピッチに立っている意義を1年生ながら理解しているからこそ、周りからの信頼を集めることができている。
「選手権に出ることができれば、3年生とプレーする時間を長くすることができる。やっぱりこのチームでもっとサッカーがしたいので、チームの勝利に貢献できる存在になっていきたいです」
3年ぶり3度目の選手権まであと2つ。石川は純粋な気持ちと明確なロールモデルを持って、チームのためにボールを回収して攻撃に着実に繋げていく。
(FOOTBALL ZONE編集部)




















