日本代表、W杯アジア2次予選はベストメンバーを招集すべきか? 久保の「キツイ」発言も…紐解く現状【コラム】
11月からW杯アジア予選がスタート
森保一監督率いる日本代表は10月シリーズでカナダ代表戦(4-1)、チュニジア代表戦(2-0)で勝利を収めて、6月からの連勝を6へと伸ばした。6戦24発5失点と圧倒的な数字を残して11月から始まる北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で16日にパナソニックスタジアム大阪でミャンマー代表と、初陣に臨む。21日には第2戦となるアウェー(開催地未定)でシリアと対戦。来年1月にはアジアカップがカタールで開催される。公式戦では昨年カタールW杯の登録26人から23人に戻ることが決定したなかで、今後森保ジャパンはアジアを戦い抜くうえでベストメンバーを揃えるべきかに注目する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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今シリーズで注目されたのが、MF久保建英が発した「正直、キツイですよ」の言葉だろう。久保はリーグ戦とUEFAチャンピオンズリーグ(CL)を戦う過酷な日程をこなしながら、日本への長距離移動を強いられたり時差ぼけに苦しんだりしている。
そのなかでコンディション不良とされたMF鎌田大地やMF堂安律は初めから選外となり、MF三笘薫はメンバー入りしたものの、帰国前に体調不良のため離脱した。
結果、久保は合流時期やコンディションを考慮されてカナダ戦ではアップもせず、チュニジア戦で先発出場。トップ下で素晴らしいパフォーマンスを見せて序列を上げた。
これまでは鎌田がトップ下の1番手だっただろう。だが、今回の活躍で右サイドのMF伊東純也との共存で良さを発揮。久保のアイデアや周囲を生かし自分も生きるプレーは欠かせず、システムが4-2-3-1だった場合は左に三笘、中央に久保、右に伊東が日本にとって最も相手の脅威になる並びではないかとされるようになった。
日本代表選手のコンディション問題は長く付きまとう問題だ。W杯開催から次大会までの4年間で移動する距離が地球8周分とも言われる。森保監督はそれほど「覚悟を持って戦っている」と話した。
11月に戦うシリアとミャンマー。やはり日本代表のレベルは頭1つも2つも抜けているが、第2次政権で積み上げてきたコンセプトをさらに浸透させるためには大幅な変更が難しく、ベストメンバーに近い招集になってくるだろう。現に3月、6月、9月と短い合宿期間で落とし込む内容をテストしながら大きな収穫を得てきた。そして、そのための10月シリーズでもあった。コンディションに問題がある場合は今回の鎌田や堂安、三笘のように回避する手もあるが、ポジション争いは激しく、1度の招集外が今後の序列に影響する可能性もある。
現在、多くの選手が欧州でプレーしており、日本サッカー協会(JFA)は2020年にドイツ・デュッセルドルフに拠点を作った。各クラブと密に連絡を取り、コンディション状況を確認している。試合の視察も行い、選手たちとも直接会って状態を把握している。アジア予選ではホーム&アウェーで日本以外、開催地未定の国もあるが、厳しい移動を強いられることは間違いない。深刻な負傷にはならないよう、調整を続けながらも第2次森保ジャパンのさらなるレベルアップを求めていく。